北欧の良き時代を日本の手技がよみがえらせる(1/2 ページ)

» 2010年08月05日 08時00分 公開
[本間美紀,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

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「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。

※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 東京・半蔵門のROGOBA DESIGN ON LIFE_Tokyo(ロゴバ デザイン・オン・ライフ・トウキョウ)で8月1日から、「北欧の名作ヴィンテージ家具展〜北欧のよき時代を日本の手技がよみがえらせる」が開催されている(〜29日まで)。

 今回展示されているのは、家具メーカーのキタニが北欧家具の復刻の研究のために集めた、資料的な作品ばかり。希少なオリジナル家具を、日本の技術で美しく修復した名作ヴィンテージ約30点がそろう。

エキサイトイズム 飛騨高山のキタニ本社にある「邯鄲亭」

 北欧のデザイナーと直接契約を結び、その正式な復刻を手がけているのが日本のメーカーだということは、意外と知られていない。それが飛騨高山のキタニなのだ。

 同社はもともと福祉家具を手がけるメーカー。その研修で飛んだデンマークで、骨董のようなすばらしい家具に出会い、その復刻を目指すようになった。現在は6人のデザイナーの作品をライセンス復刻している。

 その中でも、特に希少性や芸術的な価値が高いのが、フィン・ユールやイプ・コフォード・ラーセン、ナナ・ディッツェルなどの家具だ。1940〜1960年代にかけて、活躍した彼らの家具は、ニールス・ヴォッダーなどの名工房で製作されていたが、いまでは目にすることのできない逸品が多い。

エキサイトイズム No.45のヴァージンフレーム

 フィン・ユールの作品についても、キタニは1998年から復刻を始めているが、1996年、ユールの夫人と契約を結んでから、試作と技術の研究に2年と費やしている。彼の自邸に何度も足を運び、作品の背景を知り、その空気感をつかむところから始まったという.今回はニールス・ヴォダー工房でつくられていた2人掛け「No.45」のヴァージンフレームが登場する。

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