前日の大幅高の反動や予想を下回る経済指標に反応して軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年08月04日 08時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10636.38▼38.00

<NASDAQ>2283.52▼11.84

<為替:NY終値>85.8-85.86

前日の大幅高の反動や予想を下回る経済指標に反応して軟調

 実際には経済指標に反応したと言うよりは前日の大幅高の反動と言うことで指数は軟調となったものと思われます。ただ、改めて個人消費の回復の鈍さや住宅関連の指標の回復の鈍さを見せられると利益確定売りや手仕舞い売りを急ぐことになったのでしょう。好調な決算を発表する銘柄が多い中で主力株の一角が予想を下回る決算となったことも景気回復鈍化懸念につながり、手仕舞い売りが嵩んだものと思います。

 ただ、原油や金の先物価格が上昇、デフレ懸念が強まっていないことや足元の業績が好調な銘柄も多いことから市場全体とすれば底堅い展開となっています。実際に米国景気回復鈍化懸念で売られるようなことになるのであれば、もっと大きな下げとなるものと思われ、あくまでもまだ手仕舞い売り、利益確定売りの押されているだけということなのかもしれません。これだけ金利が低下してくれば金利裁定も働き、株式相場も底堅さは見られるのではないかと思います。

 個別にはプロクター・アンド・ギャンブルやダウ・ケミカルが予想を下回る決算を発表して大きく売られ、投資判断の引き下げのあったアプライドマテリアルズ(AMAT)が軟調、連れてインテルも安くなりました。仮契約住宅販売指数が低下したことからDRホートンやKBホーム、レナーと行った住宅関連銘柄が軟調、個人消費支出も予想を下回ったこともあってホーム・デポも軟調となりました。7月の新車販売台数が冴えない伸びとなったことからフォードが売られるなど前日の大幅高の反動もあり、悪材料には敏感な反応となるものが多く見られました。一方で、原油先物価格が堅調となったことから、シェブロンやエクソン・モービルは堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は欧米株高を受けて買い先行となり、比較的値持ちのいい展開で大幅高となりました。相変わらず市場参加者も限定的で盛り上がりに欠ける展開となりましたが、若干売買高、売買代金も膨らみました。好業績を発表する銘柄も多く、為替に落ち着きが見られ、米国の景気回復鈍化懸念や欧州金融不安が薄れれば素直に業績面からの割安感を見直す動きとなるものと思います。

 米国市場が軟調、為替も円高ということで日本市場も昨日の反動もあり、軟調な展開となりそうです。ただ、シカゴ市場(CME)の日経平均先物が大きく下落していないように、好調な決算発表が続々と行われているなかで売り叩くような動きにはなり難く、底堅い展開となりそうです。為替が円安に振れるようであれば、堅調な動きも期待されますが、円高となったことや好決算が発表されたことで、海外からの手仕舞い売りや利益確定売りが嵩むようであれば下げ幅拡大となりそうです。為替の影響の少ない銘柄、円高メリット銘柄などが個別に物色されることになるのでしょう。

 まだまだ、一気に上値の節目と見られる9800円〜900円水準を目指すような展開にはなりそうもなく、日経平均の9500円〜600円水準での底堅さを確認する場面もありそうです。決算動向を見ている限りにおいては上方修正にもっと素直に反応して上値を試すような動きになってもいいように思われるのですが、為替が1ドル=90円を超えるような水準で落ち着かないことには好業績銘柄といっても買い難いということで下値固めの展開が続きそうです。

本日の注目点

◇4−6月期決算:トヨタ(7203)、三菱ケミHD(4188)、OLC(4661)、住友大阪(5232)、三井金(5706)、いすゞ(7202)

◇1−6月期決算:ライオン(4912)、ヤマハ発(7272)、マクドナルド(2702)

◇英中銀金融政策委(5日まで)

◇7月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポート

◇7月のISM非製造業景況感指数

◇海外4−6月期決算:タイムワーナー

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