好調な住宅指標や決算発表を受けて連日の大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月27日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10525.43△100.81

<NASDAQ>2296.43△26.96

<為替:NY終値>86.86-86.92

好調な住宅指標や決算発表を受けて連日の大幅高

 朝方発表された新築住宅販売件数が予想を上回ったことや収益見通しを引き上げる企業なども見られ、足元の業績好調と見られる銘柄などを見直す動きから堅調となりました。最後は値持ちの良さから買戻しを急がせることになって上げ幅拡大となったものと思います。欧州金融不安が薄れ、米国での景気回復鈍化懸念が薄れたことでリスク許容度が上昇、買い直しを急ぐ動きもあり、好決算銘柄を中心に買われました。

 市場のセンチメントもだいぶ上向いたものと思われます。景気鈍化懸念を尻目に好調な決算や楽観的な見通しを示す企業も見られ、経済指標も決して良くはないのですが、悪いと言うほどでもないという水準であり、悲観的な見方が薄れれば買えるものも多くなるということなのでしょう。欧州での金融不安が薄れ、資金の流れが滞らなくなったことも商品市況の落ち着きなどにつながり、景気回復鈍化懸念もますます薄れてくるということなのだと思います。

 個別には新築住宅販売件数が予想を上回ったことから、住宅関連銘柄が敏感に反応、DRホートンやホーム・デポなどが堅調、利益見通しを上方修正したフェデックスは大幅高となりました。原油価格は落ち着いていたのですが、エクソン・モービルやシェブロンは堅調、景気回復は期待されるものの利益確定売りもあって、アップルやグーグルが安く、マイクロソフトは堅調となったのですが、インテル、IBMもほぼ横ばいとハイテク銘柄はまちまちとなりました。金融株は総じて高く、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなどは堅調となり、シティグループは大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国市場が堅調となったことや円安に振れたこと、またその要因となった欧州金融機関に対するストレステスト(資産査定)が発表になって金融不安が薄れたことから、買い先行となりました。好調な決算発表や好業績が伝えられる銘柄も多く、一時大幅高となる場面もあったのですが、買いが続かず、利益確定売りに押されて上げ幅縮小となりました。値持ちは良かったのですが、市場参加者は増えず盛り上がりに欠ける展開となりました。

 引き続き米国株高を受けて堅調な展開となりそうです。決算発表も好調な決算を発表するものが多く、新聞などでも業績上振れが報じられたりと、先行きに対して慎重な見方が多い割りに足元の業績に対しては堅調なものが多いということでしょう。業績面から売られすぎと見られる銘柄も多く、米国景気などの先行き不安が薄れていることから、見直し買いも入って来るものと思われます。ハイテク銘柄などは為替の影響が取りざたされて売られすぎている銘柄も多く、為替の落ち着きも買い直す動きにつながるのでしょう。

 日経平均は9500円〜600円水準での底堅さを確認するような展開になると思われます。まだこの節目水準を抜け切っておらず、この水準が上値の節目になる可能性もありますが、為替の落ち着きや米国株高、日本企業の好調な業績を受けて水準訂正、割安感の見直しとなってくれば9500円〜600円水準の節目を下値に9800円〜900円水準を目指す動きとなって来るものと思います。売買高が盛り上がらず、新たな市場参加者が見られない状況ですが、9500円〜600円水準での底堅さが確認されると参加者も増えて来るのではないかと思います。

本日の注目点

◇6月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇6月と1−6月の自動車各社の生産・販売実績

◇2年物国債〔8月債〕入札

◇1−6月期決算:キヤノン(7751)、JCOM(4817)

◇4−6月期決算:ヤフー(4689)、JFE(5411)、日立金(5486)、日立建機(6305)、大和(8601)、JR東日本(9020)、JR東海(9022)、大証(8697)

◇7月の米消費者信頼感指数

◇5月の米S&P/ケース・シラー住宅価格指数

◇米2年物国債入札

◇6月の香港貿易統計

◇海外4−6月期決算:デュポン、USスチール

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