著者プロフィール:山岡仁美(やまおか・ひとみ)
株式会社グロウス・カンパニー+ 代表取締役、人材育成コンサルタント、研修講師、講演と多方面で活躍中。そのテーマは「リーダーシップ」「コーチング」「ネゴシエーション」「CS・CRM」「キャリアデザイン」「ダイバーシティ」など幅広いとともに、あらゆる業種・職種・職能にカスタマイズし展開。 ほかに各種マニュアル・スクリプト製作・CSプロジェクトナビゲート・ CI制作・店舗検証など実績豊富。著書『デキる人になれるアサーティブ仕事術』
「今月は訪問件数が足りないんじゃないか?」
「なぜ、時間通りに会議が始められなかったんだ?」
こんな質問を上司が部下に投げかけているところを見かけます。私自身も「やってしまったぁ……」と反省することしばしばです。果たして、部下を伸ばす効果的な質問とは、どんな質問なのでしょうか?
そもそも、質問には種類があります。代表的な質問の種類を挙げてみます。
答えが特定される質問です。例えば、
Q「日本の首都はどこですか?」
A「東京です」と決まりきっています。
答えがさまざまになるので、答える人の考えを引き出せます。例えば、
Q「日本でお勧めの街は?」
A「京都」「沖縄」「北海道の富良野」「横浜みなとみらい」など。
過去や経過、今までのことを聞きます。過去のことを聞くので、答えは過去の事実が返ってきます。過去や経過を確認したい時には有効ですが、解決策や次の行動にはつながらない場合があります。例えば、
Q「今日はどんなクロージングをしましたか?」
A「見積もりを提示しました」
これからのことを聞きます。これからのことを聞くので、相手はこれからすることを考えたり、その効果を確認したりする機会になります。例えば、
Q「今日はどんなクロージングをしますか?」
A「見積もりを提示するつもりです」
否定的な質問です。時に相手を必要以上に非難したり卑下したりする表現となります。その回答は、言いわけや開き直りになることもあります。例えば、
Q「なぜちゃんと報告しないのですか?」
A「忙しいのでいちいち報告できません」
肯定的な質問です。相手を認め、期待している表現になり、答えは相手に何をするべきかを動機づけます。例えば、
Q「どうしたらちゃんと報告ができますか?」
A「課長からも声をかけてください」「毎日夕方5分、報告の時間がほしいです」「報告することはメモにしておくようにします」など。
冒頭の「今月は訪問件数が少ないんじゃないか?」「なぜ、時間通りに会議が始められなかったんだ?」といった質問は、過去質問や否定質問です。
「どうしたら今月の訪問件数を増やせますか?」「どうしたら時間通りに会議を始められますか?」と改善してみましょう。もちろん、状況や過程にもよりますが、部下自身が解決策や行動を探すきっかけにはなるのではないでしょうか。(山岡仁美)
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング