日本とチュニジア両政府、太陽熱発電の共同プロジェクト実施で合意

» 2010年07月26日 16時52分 公開
[栗田昌宜,Business Media 誠]

 日本とチュニジアの両政府は7月23日、チュニジアで太陽熱発電の共同プロジェクトを実施することで合意し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とチュニジアの開発・国際協力省、産業技術省、STEGER(Tunisian Electricity and Gas Utility Energy Renewable)との間で共同プロジェクトの実施に関する同意書(LOI)を締結したと発表した。

 同プロジェクトは、チュニジア政府が進めている再生可能エネルギー導入計画「チュニジアソーラープラン」の一環として実施するもの。フィージビリティスタディ(実現可能性調査)を開始するタワー式集光型太陽熱発電とガスコンバインドサイクル発電を組み合わせた複合型発電設備は、同プロジェクトが世界で初めての試みとなる。

 太陽熱発電は、太陽の熱エネルギーを集めて熱媒体を加熱し、蒸気でタービン発電機を駆動して発電する方式。上下に湾曲した反射鏡を多数並べ、焦点部分に敷設したパイプに熱媒体を通して集熱するトラフ式と、タワーの上部に設けた集熱装置に焦点が合うように向きや角度を調整した平面反射鏡を地面に多数並べるタワー式の2通りがあり、トラフ式よりも集熱効率が高いタワー式は、単独型発電設備が現在実証試験段階にある。

 このほどLOIが締結された共同プロジェクトでフィージビリティスタディが行われるのはタワー式集光型太陽熱発電と、ガスタービンと排ガスボイラーから回収した熱を利用する蒸気タービンの2つのタービンで発電するガスコンバインドサイクル発電を組み合わせたもので、天候や昼夜の別なく発電できるのが特徴。

 NEDOはフィージビリティスタディの参加企業を近日中に公募する予定。

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