米国株高や円安を好感して買われ堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月26日 16時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 先週末の米国市場が欧州ストレステストの結果公表などを受けて堅調、大幅高となったことや為替が円安に振れたこと、また、好調な業績が新聞で報じられたり、発表されたりしたことなどから、買い先行となりました。外国人は売り越しと伝えられたのですが、寄付きの買いが一巡した後も値持ちの良い展開となりましたが、後場に入ると目先筋の利益確定売りもあって上げ幅縮小となりましたが、堅調となりました。

 東証が今年に入って売買システムを高速化し、証券各社などが高速化に対応しようとしていますが、本当にどこまで必要なのでしょうか?確かに高速売買を売買を有利に働かせる一つの投資(投機?)のツールとして使うことも出来るのでしょうが、逆に言えば高速化について行く為のコストも馬鹿にならないと思います。高速化することで、何が有利に働くといっても「人より早く売買が出来る」と言うことが本当に有利なのでしょうか?

 逆に人より早く売買をすることでしか利益を上げることが出来ないのであれば早く売買することに労力とコストを使えば良いと思いますが、誰もがそれほどの高速売買を必要とするかと言えば誰もが必要とするわけでもなく、人よりも早く、ということだけを考える人はほんのわずかだと思います。人より早く売買することに労力を使うよりは、人よりも良い銘柄を良いタイミングで買うということであり、人が1円しか儲からないところを10円儲けるということに労力を使う方が良いのではないかと思います。

 最近は少し下火になったのかと思われましたが、相変わらず、そうした「人より早く買う」というような小手先だけのテクニックで儲けようと言う向きも多いのかもしれません。もちろん、システムの変わったとき、何かが変わったときというのは儲けるチャンスが多いのですが、そうした小手先だけのテクニックではいずれ儲からなくなって来るものと思います。もちろん、高速化に対応することや子人より早く売買するテクニックで儲けることが悪いということではないのですが、そうしたことでコンスタントに儲けられる人はほんのわずかということなのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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