米国株高や円安を好感して買われ堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年07月26日 16時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9503.66円 △72.70円
売買高 13億0213万株
日経平均先物 9490円 △50円
売買代金 9492億円
TOPIX 845.88 △4.59
値上がり銘柄 1127銘柄
東証マザーズ指数 396.71 △7.22
値下がり銘柄 381銘柄
日経ジャスダック平均 1220.84円 △4.68円
変わらず 153銘柄
騰落レシオ 78.01% △2.50%

日経平均

米国株高や円安を好感して買われ堅調

 先週末の米国市場が欧州金融機関のストレステスト(資産査定)の発表を受けて大幅高となったことや、為替も欧州金融不安が薄れたことで円安に振れたことを受けて買い先行となりました。ハイテク銘柄などを中心に買い気配から始まるものも見られ、寄付きから大幅高となりましたが、寄り付きの買いが一巡となった後は戻り売りや週末の大幅高に続いての上昇となったことで目先筋の利益確定売りもあって上値の重い展開となりました。それでも、好決算や好業績期待から買われるものも多く、値持ちの良い展開となりました。

 後場に入ってからは上値の重さを嫌気するように上げ幅縮小となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しということで、目先筋の手仕舞い売りが出ると買い気も止まり、上げ幅を大きく縮小することもないのですが、戻りも鈍く方向感のない展開となりました。それでも総じて見ると為替さえ落ち着いていれば、足元の業績が好調とされる銘柄が多いだけに売り急ぐこともほとんどなく、最後まで大きく方向感がでることはありませんでしたが、値持ちの良さを好感する買戻しも見られ、堅調となりました。

 小型銘柄も売り手控えられる中でちょっとした買いに値を飛ばすものも見られ、総じて堅調となりました。東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均は堅調となりました。先物もまとまった売り買いは少なく、相場を牽引するような動きはありませんでした。寄り付きこそヘッジ売りの買戻しなどを交えてまとまった売り買いも見られましたが、後場に入るとまとまった売り買いもほとんど見られず、大きな方向感は出ませんでした。

 決算発表の本格化を前に堅調な地合いとなっています。新聞などでの観測記事も好調な業績を示すものが多く、先行きへの不安や為替の懸念がなければかなり好調な業績を好感することになったものと思います。昨年来そうですが、四半期決算の発表時期になると「足元はいいのだが、先行きが・・・」ということで、業績面からの割安感がどんどん強まった感じですが、今年も同じようなパターンではないかと思います。確かに円高などが気になりますが従来ほど円高の影響も大きくなく、円高にもかかわらず好調な業績となるものが多いと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線は抜けて来ましたが、基準線を意識するところまで一気に上昇とはなりませんでした。基準線が下落となるところであり、まだまだ上値も重いのでしょうが、RSIは上昇が続いて上値余地もあり、ストキャスティックスは底値圏からの反発となっており、引き続き戻りを試す動きが続くのでしょうが基準線を抜けるのかどうかが気になるところです。

TOPIX

NYダウ

 転換線まで戻りましたが、転換線に上値を押さえられたような格好です。基準線も下落となるところであり、上値も重いものと思われます。それでもRSIはまだ上昇が続いて上値余地も大きく、ストキャスティックスも下げ切らなかったのですが、底値圏からの反発となっており、引き続き戻りを試す動きとなるものと思います。

円相場

NYダウ

 堅調な展開ですが転換線の水準までも戻らず上値の重さが気になるところです。RSIもストキャスティックスもわずかですが上昇となっており、安値圏でのもみ合いを上に放れかけているというところでしょう。基準線の下落が続いており、まだ上値は重いのでしょうが、転換線を抜けてくれば、基準線まではあっさりと戻ることになりそうです。

銘柄ピックアップ

好決算期待で買われるものも

TDK(6762) 5110 △70

 ハードディスク駆動装置(HDD)の基幹部品である磁気ヘッドが年末にかけて需給の逼迫が見込まれるとして増産する計画と新聞で報じられ、好調な受注から好業績期待が高まり堅調となりました。

ソニー(6758) 2512 ▼1

 2010年4−6月期の連結営業損益が市場予想大きく上回る黒字となったようだと新聞で報じられ、円安を好感する買いも入り堅調となりましたが先行きに対する警戒感も根強く、軟調となりました。。

KDDI(9433) 429500 △1500

 先週末の引け後に発表した4−6月期決算で連結純利益が前年同期比17%減、営業利益は9%減となったことが嫌気されて売られ軟調となりましたが後場に入ってからは買戻しも見られ堅調となりました。

鬼怒ゴム(5196) 374 △80

 後場に買い気配から始まり大幅高となりました。前引け後に2011年3月期の連結純利益が前期比44%増になりそうだと発表。従来予想から上方修正となったことが好感されて買いを集めました。

スズキ(7269) 1764 ▼58

 円安を好感して自動車各社が堅調となるなかで大幅安となりました。インド子会社が発表した2010年4−6月期決算で純利益が5四半期ぶりに減益となったことが嫌気されて売られ、大幅安となりました。

三菱UFJ(8306) 408 △1

 欧州金融機関に対するストレステスト(資産査定)の結果が公表されて金融不安が薄れたことに加え、3メガバンクの2010年4−6月期の連結最終利益はそろって1000億円を超え、金融危機以前の水準に戻ったもようと新聞で報じられて買われ、上値は重いながらも堅調となりました。

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