ストレステストを無事通過し、好材料に素直に反応して大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月26日 08時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10424.62△102.32

<NASDAQ>2269.47△23.58

<為替:NY終値>87.44-87.5

ストレステストを無事通過し、好材料に素直に反応して大幅高

 欧州金融機関のストレステスト(資産査定)での自己資本が不足する銀行数が想定の範囲内とされたことやドイツの景況感が予想を上回ったことなどから、欧州金融不安が後退、一つの懸念材料が薄れたことで、好業績銘柄を改めて買い直す動きもあり、大幅高となりました。先行きに対する懸念は残るものの、欧州金融不安が薄れたことで、信用収縮=リスク許容度の低下の動きは一段落となり、足元の好調な業績に素直な反応となったものと思います。

 景気の先行きに対しては懸念も残るものの、新興国を中心とした世界経済の拡大が続く中で、業績は好調な企業が多く、金融不安が薄れたことで買い直す動きも見られたものと思います。欧州景気もドイツなどでは堅調と見られ、景気の後退懸念が薄れていることも買戻しを急がせた面もあるものと思われます。米国金融規制強化懸念も一段落となり、欧州金融不安も一段落となったことで、リスクを取れる資金が市場に戻ってきたのかどうかが今後は注目されることになりそうです。

 個別には増配と自社株買いの再開を発表したGE(ゼネラル・エレクトリック)が大幅高、朝方に発表した決算が予想を上回ったベライゾン・コミュニケーションズやフォードも大幅高、前日引け後の決算が予想を上回ったアメリカン・エキスプレスも大幅高となるなど好材料に反応するものが多くなりました。景気回復鈍化懸念が薄れたことから、アルコアやキャタピラーなど景気敏感株も総じて高いものが目立ちました。一方、6月の既存店売上高が伸び悩んだことからマクドナルドが下落、一株利益が予想に届かなかったアマゾン・ドット・コムが好調な決算を発表しながらも売られ、マイクロソフトも予想を上回る決算を発表しながら利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は欧米株高を受けて大幅高となりました。決算発表の本格化を前に好調な決算が期待される銘柄などを中心に週末の買戻しも入ったものと思われます。景気回復鈍化懸念だけで売られすぎた面もあり、割安感や売られすぎ感が出ていたものの買い直しなども見られました。週末の欧州金融機関のストレステスト(資産査定)発表を控えていたのですが、手仕舞いの買い戻しも見られて指数を押し上げたものと思います。

 週末の米国市場が堅調となったことや欧州金融機関のストレステスト(資産査定)が特に問題視されることもなかったこと、また為替が円安に振れたこともあり、堅調な展開が期待されます。4−6月期の決算発表も本格化するなかで、好調な業績と慎重な見通しが示されそうですが、欧州金融不安が薄れたことからとりあえずは好調な業績に反応することになりそうです。為替が大きく円高に振れることがなければハイテク銘柄などを中心に堅調な展開となりそうです。

 日経平均は9200円水準で底入れとなったのかどうかが注目されることになるのでしょうが、とりあえずは9500円〜600円水準をしっかりと抜けてこないことにはまだ下値不安が残るものと思います。9500円〜600円水準を下値に9800円〜900円水準を目指す動きとなるのか、9500円〜600円水準を上値に9200円水準の下値を試すことになるのか、と言うことなのですが、本日の相場で9500円を抜けてこないことには上値を試す動きにはならないのでしょう。

本日の注目点

◇6月の貿易統計(財務省)

◇東京証券取引所が株式配当指数の先物を上場

◇4−6月期決算:花王(4452)、日電硝(5214)、

◇6月の米新築住宅販売件数

◇4−6月期の韓国国内総生産(GDP)

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