出尽くし感や追加金融緩和期待から堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月21日 09時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10229.96△75.53

<NASDAQ>2222.49△24.26

<為替:NY終値>87.48-87.54

景気回復鈍化懸念から売り先行も出尽くし感や追加金融緩和期待から堅調

 前日の引け後やこの日の朝の決算発表が予想を下回ったことなどから、売り先行となり、一時大幅安となる場面もありました。それでも値ごろ感からの買戻しや住宅着工許可数が増加に転じたことが好感されて堅調となり、さらにFRB(連邦準備理事会)議長の議会証言で追加の金融緩和に言及するのではないかとの思惑などもあり、買い戻しを急ぐ動きから堅調、ナスダック指数は大幅高となりました。金融規制強化を織り込んだことで商品市況が好転したことも買い要因となったものと思います。

 先行きに対する懸念は根強く、決算も売り上げが予想を下回る企業などもあり芳しいとは言えないのですが、売られすぎ感もあり、買戻しも入ったものと思います。また、金融規制強化懸念も一段落となったことや更なる金融緩和期待も台頭、売り込み難くなっていることもあるものと思います。値ごろ感からでもセンチメントが好転してくれば悲観的に見ていた経済指標や業績発表も少しは楽観的に見ることが出来るということなのでしょう。

 個別にはゴールドマンサックスは赤字を発表したことで悪材料出尽くし感から買われ、同様に朝方発表された四半期決算で最終損益が黒字に転換したステート・ストリートは大幅高、四半期決算が予想を上回ったペプシコも堅調となりました。前日引け後に発表した四半期決算で売上高が予想を下回ったTI(テキサス・インスツルメンツ)とIBMは軟調、通期見通しを引き下げたジョンソン・エンド・ジョンソンも軟調となりました。信用収縮が一段落となったことから買戻しを急ぐ動きもあり、ホーム・デポが大幅高、ウォルマートも高く、景気敏感銘柄として売られすぎの反動からキャタピラーやアルコアも高くなりました。引け後に決算発表を控えたアップルは堅調、引け後の時間外取引でも買われています。連れるようにグーグルが大幅高となり、インテルなども堅調とハイテク銘柄は総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国市場が大幅下落となり、為替が円高に振れたことを嫌気して売り先行となりました。寄り付きの売りが一巡した後は戻りを試す場面もあったのですが、戻りきらず、最後は再度見切売りに押されるといった状況でした。外国人も引き続き売り越しと伝えられ、持高調整の売りも出ているのかもしれません。

 米国市場が堅調、特にナスダック指数が大幅高となったことや為替が円安に振れたことから、さすがに本日の日本市場も反発となって来そうです。四半期決算の発表を前に先行きに対する懸念が根強く、業績動向以上に売られすぎた感もあり、先行きに対する不安が薄れれば買戻しを交えて堅調な展開となるものと思います。為替の落ち着きもあり、売られすぎたハイテク銘柄など輸出関連銘柄の反発は期待され、商品市況が堅調となっていることもあり、商社株なども割安感もあることから物色されるものと思います。

 日経平均は9000円を割り込むのではないかとの懸念も出ているようですが、為替の落ち着きもあり、昨日の9200円台での底堅さが確認されれば再び戻りを試す動きとなってくるのではないかと思います。先行きに対する懸念が根強く上値も重いものと思われ、米国市場がしっかりと戻さなければ9500円〜600円水準まで戻ると見切り売りに押される格好となりそうです。その前に9200円台での底堅さを確認する動きとなるのでしょう。

本日の注目点

◇7月の月例経済報告

◇日銀金融政策決定会合議事要旨(6月14〜15日分)

◇7月の主要銀行貸出動向アンケート調査(日銀)

◇山口日銀副総裁の講演、記者会見

◇4〜6月期決算:東京製鉄(5423)

◇バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が上院委で証言

◇英中銀政策委議事録公表(7〜8日分)

◇海外4〜6月期決算:モルガン・スタンレー、コカ・コーラ、ユナイテッド・テクノロジーズ、イーベイ、ウェルズ・ファーゴ、クアルコム

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