連休中の米国株安を織り込むように大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月20日 16時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 日本市場が連休中の米国市場が大幅下落となったことから売り先行となりました。相変わらず悲観的な見方が強く、悪い材料を探しては売られると言う展開で寄付きから大幅安となりました。ただ、寄り付きの売りが一巡となった後は売られすぎの反動もあり、底堅い展開となり、為替が円安気味となったこともあって、買戻しを急ぐ動きも見られ下げ幅縮小となりました。下値を売り叩くだけの材料もなく、底堅さが見られると目先筋の買戻しも入るようです。

 米国企業の決算発表が本格化し、日本企業の決算発表も本格化してきます。決算動向に一喜一憂する展開になりそうですが、基本的には足元の業績がしっかりと回復している中で業績面から売られすぎとなっているものも多く、決算が好調と伝えられると買い直される場面もありそうです。発表された決算は過去のものだから材料にはならないと言う見方もあるようですが、それまで、決算通りに株価が織り込まれていたのかどうかを見る必要もあると思います。

 全部が全部、好決算でも悪い決算でも「織り込み済み」として反応するわけでもなく、すでに大きく売り込まれて割安感が出ている場合には多少の悪い決算でも「織り込み済み」と言うことになるのでしょうし、株価が低迷している中で、好調な決算を発表すれば素直に反応することになるものと思います。ただ、このように「決算は過去のものだから」と言うことで意味のないことを言うような向きがいるということはそれだけ、決算動向には関係のないところで動く部分が多いということなのでしょう。

 ただ、決算動向を織り込んでいるものなのかどうかをしっかりと見極めておけば、決算が発表されてもあたふたすることもなく、決算動向をしっかりと冷静に分析して対処することが出来るのではないかと思います。決算発表に一喜一憂する向きも多いのですが、良ければ良いで慌てることもなく、逆に悪い決算だからと言ってこれもまた慌てる必要もないと思います。決算動向と足元の為替、先行きの世界経済の流れなどを考えて、売れば良いのか、買えば良いのか、持っていていいものなのかを冷静に判断するべきだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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