クリーン発電&スマートグリッドとEV開発技術にフォーカス――「CSF 2010」「EVEX 2010」リポート(1/3 ページ)

» 2010年07月20日 11時50分 公開
[栗田昌宜,Business Media 誠]

 7月14日から17日までの3日間、横浜のパシフィコ横浜で「CSF(Clean Energy & Smart Grid Fair)クリーン発電&スマートグリッドフェア 2010」と「EVEX(Electric Vehicle Development Technology Exhibition)電気自動車開発技術展 2010」が開催された。その名が示す通り、CSFはCO2排出量ゼロのクリーン発電とスマートグリッドに、EVEXは電気自動車(EV)開発技術にそれぞれフォーカスした展示会である。両展示会は同時開催で、ブースはエリア分けされていたものの、蓄電池や充電器など両方に関係する技術や製品がそれぞれのエリアで展示されていたこともあり、本リポートではまとめて紹介しよう。

発電から配電、消費までをクリーン化&スマート化

 CSFエリアにブースを構えていたのは、日立製作所グループ、東芝、三菱電機といった総合電機メーカーや、東京ガス、大阪ガスの両都市ガス会社(共同出展)など。

 日立製作所グループは、風力発電システムや水力を利用した大規模発電・蓄電システムである可変速揚水発電システム、系統安定化ソリューション、AMI(Advanced Metering Infrastructure:スマートメーターによる高度自動検針インフラ)ソリューション、スマートグリッドシミュレーター、風力発電用鉛蓄電池や各種のリチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタなどの実機や模型、デモ装置、解説パネルなどを展示。

日立製作所が参考出展していたスマートグリッドシミュレーター。再生可能エネルギーが電力系統に与える影響など、供給サイドと需要サイドの相互作用を解析・シミュレーションできる

 東芝は住宅用/産業用太陽光発電システム、グリッド監視制御装置、スマートメーターおよびAMIシステム、HEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building and Energy Management System)などのエネルギー管理システム、リチウムイオン電池「SCiB」など、三菱電機は住宅用太陽光発電システムやヒートポンプ給湯器などの需要家用システム/機器、基幹系(発電・送電系)システム/機器、一般家庭への太陽光発電システムの大量導入に伴う電力(潮流)変動の影響をリアルタイムに解析・最適化する電力系統解析技術やAIMシステム、監視制御システムなどの配電系システム/機器などの実機やデモ装置、解説パネルなどをそれぞれ展示していた。

東芝のグリッド監視制御装置(μEMS)。受電点の電力目標値に合わせて、変動が大きい太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電出力を、燃料電池やガスエンジン発電機からの発電出力と、変動への追従性が高い蓄電池からの蓄電出力を組み合わせて平準・均衡化させる
三菱電機が展示していた電力系統解析技術の概念図。太陽光発電システムが大量導入されると、配電系統内の電力の流れが双方向化して電圧制御が困難になる。この問題を解決するのが電力系統解析技術で、需要家機器の動作状況の監視・制御を含めて電力の流れを解析・最適化することにより、配電系統内の電力の流れを最適化する
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