経済見通し下方修正も好調な業績が好感されて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月15日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10366.72△3.70

<NASDAQ>2249.84△7.81

<為替:NY終値>88.44-88.5

経済見通し下方修正も好調な業績が好感されて堅調

 前日の引け後に発表された半導体株の好決算を受けて堅調となりました。前日の大幅高の反動や朝方発表された小売り売上高が予想を下回ったことで上値も限定的となり、FRB(連邦準備理事会)がFOMC(公開市場委員会)議事要旨とあわせて発表した経済見通しで、2010年の実質国内総生産(GDP)の伸び率の見通しを下方修正したことから、景気回復鈍化懸念が取りざたされ軟調となる場面もありました。ただ、連日の好決算発表もあり、売り急ぐ動きはなく、最後は買戻しも入り堅調となりました。

 足元の業績ばかりではなく、業績見通しも堅調ということで決算発表が素直に好感されています。また連日の好決算発表ということも足元の景気回復が鈍化していることを打ち消すような展開となっています。個人消費に代表される米国の内需の回復は遅れているということなのでしょうが、企業業績が好調ということで、いずれ個人消費なども回復するだろうという楽観的な見方も出来そうです。引き続き決算動向に反応しながら強含みの展開が続くものと思います。

 個別には前日の引け後に好調な決算と見通しを発表したインテルは堅調、連れてIBMやアップルなども堅調、クラウドコンピューティングで攻勢をかけているマイクロソフトも高くなりました。前日の大幅高の反動から利益確定売りなどに押されて金融株が軒並み下落、バンク・オブ・アメリカは変わらずでしたが、JPモルガン・チェースやアメリカン・エキスプレス、シティグループなど軟調となりました。同様に前日の反動からキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなど景気敏感株も軟調、小売り売上高が予想を下回ったこともあり、ホーム・デポやウォルマートなど消費関連も売られました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円安を好感、米国市場の引け後に米半導体企業の予想を上回る決算を発表したことから、ハイテク銘柄なども大幅高となるものも見られ、買い先行で始まった後も堅調な地合いが続き大幅高となりました。節目と見られる9800円水準では上値も重くなりましたが、売り急ぐ動きはほとんどなく、底入れ感も出てきたようです。

 米国市場が底堅い堅調な展開となったことから、日本市場も堅調な展開が期待されますが、昨日の大幅上昇で米国株の上昇は織り込み済みということで、利益確定売りなどに押される場面も出てきそうです。ただ、為替が落ち着いていることや好調な決算が期待される日本企業の決算発表を控えて売り急ぐ動きも少なそうで、底堅さは見られるのでしょう。好調な決算が期待されるハイテク銘柄や出遅れ感が強い主力銘柄を物色する動きが続けば、堅調な展開となりそうです。中国の経済指標の発表に敏感に反応するものと思われ、特に芳しくない数字が出ると、利益確定売りを急ぐことになりそうです。

 日経平均の9800円〜900円という節目を突っかける動きは続きそうです。一方で、中国の経済指標などに敏感に反応して利益確定売りを急ぐような場面があったとしても、9500円〜600円という節目では底堅くなりそうです。日本企業の好調な決算が見られれば9800円〜900円の節目を抜けて次の節目である10200円台を目指すことになり、中国経済指標の悪化や芳しくない決算、欧州金融不安などの悪材料が出ると9500円〜600円の節目での底堅さを試すような動きになるのでしょう。

本日の注目点

◇6月の首都圏・近畿圏マンション市場動向(不動産経済研究所)

◇日銀政策委金融政策決定会合の結果公表

◇白川日銀総裁会見

◇4−6月の中国国内総生産(GDP)

◇6月の中国CPI

◇6月の中国卸売物価指数

◇6月の中国工業生産高

◇6月の中国小売売上高

◇中国農業銀行が上海に上場

◇7月の米ニューヨーク連銀景気指数

◇7月の米フィラデルフィア連銀景気指数

◇6月の米卸売物価指数

◇6月の米鉱工業生産

◇6月の米設備稼働率

◇4−6月期決算:グーグル、JPモルガン・チェース、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)

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