お客さまを笑わせよう! 口も心も開くランチコンサルの秘密郷好文の“うふふ”マーケティング(2/2 ページ)

» 2010年07月15日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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ダジャレパワー

 2人目は日本橋梁工業の取締役総務部長である菊地智美さん。橋梁用伸縮継ぎ手(ジョイント)専門メーカーという堅い会社だ。道路にかかる橋と道路を継ぐ装置の顧客は、国土交通省や首都高速道路、地方自治体などおカタ〜いところ。彼女の問題意識は、「もっと施工に採用してもらいたい」「ゼネコンや土木コンサルタント会社の間での知名度を上げたい」「できれば一般の人にも知ってもらいたい」というものだった。さて蓮香さんの助言は……。

 「縁の下の力持ちが横断的につぶやく“Tgitter(ツギッター)ネット”」

 このダジャレに菊地さん、過剰反応した(笑)。蓮香さんの真骨頂はこういうベタなシャレだ。お肉をほおばりながら「商標登録とドメイン登録しちゃおう」「マスコミに広まったら、会社名もツギッター株式会社にしてしまおう」と、くちゃくちゃと冗談が飛び交った。

 3人目は風船屋さん。タイと日本に生産拠点をもつマルサ斎藤ゴムの斎藤靖之社長のPR課題は、少子高齢化で子ども向け需要が頭打ちなことを受け、大人向け・老人向けの商品・サービスの開発など。ほかにも、低価格化への対応策やゴム価格の上昇など、商品特有の課題が目白押し。

 蓮香さんは「実はこれが一番難しかった」と素直に言う。PRアイデアとして、介護施設でも行われるバルーンリハビリの先生を監修者にした「大人や老人が楽しむ風船を作る会の発足」、さらに「妊娠=お腹がふくらむ=バルーンのおめでたギフト」などいくつかを披露した。

 「大人向けの風船か……」と、しばし発想がしぼみかけたところ、盛本さんは「バルーン蝶ネクタイなんかどう? バルーン帽子は?」とツっこんだ。私は秘かに女性が胸に入れるバルーン・パッド、男性が股間に入れるバルーン・マッチョを発案したが、ヒンシュクを買いそうだったので口をつぐんだ。

お客さまを笑わせよう!

 本誌ではライター顔をしている私だが、もともとコンサルタントである。プレゼンでガンガン引き付けたつもりでも参加者がすやすや寝落ちしていたとか、提案にノリノリに見えたのにポロっと失注だとか、10年コンサルをやっていると、それなりに辛酸なめ男な思いを経験している。その経験から提案や助言が響くパターンを2つ挙げてみたい。

 1つは「ボクならこうします」と自信を持って言える時。たいてい受注につながる。もう1つは顧客の側からスルっと良いアイデアが出るような“引き出し役”になれた時。私のセッションでは顧客のアイデアに「座布団1枚!」などとバカなことを言ったりもする。

 この2つを一緒にしたのがランチコンサル。「これですよ」という言い切り、ヤバいまでのダジャレ(笑)、そして食が口と心のフタを開ける。彼のランチコンサルは好評で、7月はさらに2件開催するとこのこと。おいしく食べながら、笑って経営改善をしたいものである。

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