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» 2010年07月14日 00時00分 UPDATE

誠 Weekly Access Top10(2010年7月3日〜7月9日):参院選で1票の格差がなかったら、議席数は自民−4、民主+1、公明・みんな+1.5

7月11日に行われた参議院選挙。比例区では民主党が第1党だったが、選挙区では自民党が第1党になるというねじれ現象が起こった。その1つの原因となっている「1票の格差」がなかったとしたら、選挙結果はどう変わっていたか計算してみた。

[堀内彰宏,Business Media 誠]

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1票の格差がなかったら参院選結果はどう変わるか計算してみた

 7月11日に行われた参議院選挙では、与党の民主党が44議席しかとれず、51議席を獲得した自民党の後塵を拝する結果となった。しかし、選挙結果をよく見ると、おかしなことがある。選挙区では自民党が第1党なのに、比例区では民主党が第1党というねじれ現象が起きているのだ。

7月11日の参院選結果

自民 民主 みんな 公明 共産 社民 改革 たち日
選挙区議席数 39 28 3 3 0 0 0 0
比例区議席数 12 16 7 6 3 2 1 1
合計議席数 51 44 10 9 3 2 1 1

 比例区で民主党に入れた有権者が、選挙区では自民党候補に入れたという例はそれほどないはず。ねじれ現象の最大の原因は死票が出やすい1人区で自民党が21勝8敗と大きく勝ち越したことにあるのだが、もう1つ影響しているのが1票の格差。自民党は地方で強い傾向にあり、地方では1票の価値が高い都道府県が多いので、その恩恵を多く受けているのである。

 では、各都道府県で1票の価値が同じだったらどうなるのか。誠に連載しているちきりんさんもTwitterで「一票=一票だったら、どういう結果になっていたのか、誰か計算してほしいよ」と問題提起をしていたので、実際に計算してみることにした。

 どういう形で計算するか迷ったのだが、最も1票の価値が高い鳥取県の1票の価値を1と仮定して、他都道府県の1票の価値を算出。そして、各都道府県選挙区での各政党の獲得議席に1票の価値の逆数をかけ算して、“本来の”議席を計算することにした(各都道府県の有権者数は公示日の6月23日時点でのデータ)。

 例えば、東京選挙区では民主党2議席、自民党1議席、公明党1議席、みんなの党1議席だったのだが、東京選挙区の1票の価値は鳥取選挙区の4.38分の1なので、“本来の”議席数を民主党8.76(2×4.38)議席、自民党4.38(1×4.38)議席、公明党4.38(1×4.38)議席、みんなの党4.38(1×4.38)議席と計算した。つまり、「東京都に同じ当選傾向の5人区が、4.38選挙区あったらどうなるか」という議論をすることになるので、ちょっと乱暴ではあるのだが、ある程度の目安をつかむことはできるだろう。

2010年6月23日(参院選公示日)時点での1票の格差

都道府県名 有権者数 選挙区定数 定数1当たりの有権者数 1票の価値
北海道 4621118 2 2310559 0.211158425
青森県 1163331 1 1163331 0.419393964
岩手県 1111052 1 1111052 0.439127962
宮城県 1915501 2 957751 0.509416596
秋田県 930892 1 930892 0.524114505
山形県 970387 1 970387 0.50278291
福島県 1665411 2 832706 0.585914228
茨城県 2437052 2 1218526 0.400396873
栃木県 1637893 1 1637893 0.297879043
群馬県 1636130 1 1636130 0.298200021
埼玉県 5841781 3 1947260 0.250554069
千葉県 5071914 3 1690638 0.288585729
東京都 10695234 5 2139047 0.228089446
神奈川県 7328018 3 2442673 0.199737774
新潟県 1973685 2 986843 0.494399056
富山県 906829 1 906829 0.538022053
石川県 948960 1 948960 0.514135475
福井県 655964 1 655964 0.743781671
山梨県 705902 1 705902 0.691163929
長野県 1766697 2 883349 0.552323347
岐阜県 1694940 2 847470 0.575706515
静岡県 3090689 2 1545345 0.315718599
愛知県 5855247 3 1951749 0.24997784
三重県 1511013 1 1511013 0.322891994
滋賀県 1109884 1 1109884 0.439590083
京都府 2107617 2 1053809 0.462981652
大阪府 7123921 3 2374640 0.205460167
兵庫県 4561826 2 2280913 0.213902941
奈良県 1158267 1 1158267 0.421227575
和歌山県 851823 1 851823 0.57276453
鳥取県 487894 1 487894 1
島根県 596484 1 596484 0.817949853
岡山県 1583048 1 1583048 0.30819912
広島県 2334828 2 1167414 0.417927145
山口県 1214504 1 1214504 0.401722843
徳島県 661386 1 661386 0.737684197
香川県 833050 1 833050 0.585671928
愛媛県 1202881 1 1202881 0.405604544
高知県 643985 1 643985 0.757617025
福岡県 4117590 2 2058795 0.23698037
佐賀県 691531 1 691531 0.705527301
長崎県 1182908 1 1182908 0.412453039
熊本県 1495312 1 1495312 0.326282408
大分県 995250 1 995250 0.490222557
宮崎県 937791 1 937791 0.520258778
鹿児島県 1406105 1 1406105 0.346982622
沖縄県 1080383 1 1080383 0.451593555
※議員歳費は増えるが、1票の価値が0.5以下の都道府県は定数を倍にするだけで問題は改善されるので、激怒していいと思う(議員数削減の流れには逆行するが)。ちなみに鳥取選挙区と島根選挙区を合併して定数1とするだけで、1票の格差は最大5.01倍から最大3.79倍に減少する

 こうして全国の選挙区の“本来の”議席数を再計算して合計すると、自民党102.9議席、民主党85.3議席、公明党13.2議席、みんなの党12.9議席となる。実際の選挙区の定数は73議席なので、“本来の”議席数の比率に従って73議席を分配すると、自民党35.1議席、民主党29.1議席、公明党4.5議席、みんなの党4.4議席と算出できる。

 実際の選挙区の議席数は自民党39議席、民主党28議席、公明党3議席、みんなの党3議席だったので、自民党がマイナス4議席、民主党がプラス1議席、公明党とみんなの党がそれぞれプラス1.5議席ということになる。比例区との合計で民主党が第1党になることはさすがにないのだが、1票の格差の影響は小さくないと言えるだろう。ちきりんさんも別の形で検証しているので、参考にしていただきたい。

1票の格差がなかったらこういう結果に

自民 民主 みんな 公明 共産 社民 改革 たち日
選挙区議席数 39 28 3 3 0 0 0 0
比例区議席数 12 16 7 6 3 2 1 1
合計議席数 51 44 10 9 3 2 1 1
“本来の”選挙区議席数 35.1 29.1 4.4 4.5 0 0 0 0
“本来の”合計議席数 47.1 45.1 11.4 10.5 3 2 1 1

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