後場から持高調整の売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年07月13日 16時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9537.23円 ▼10.88円
売買高 18億7720万株
日経平均先物 9530円 ▼20円
売買代金 1兆0922億円
TOPIX 854.39 ▼3.31
値上がり銘柄 334銘柄
東証マザーズ指数 396.58 △0.33
値下がり銘柄 1201銘柄
日経ジャスダック平均 1229.31円 ▼2.95円
変わらず 137銘柄
騰落レシオ 93.70% ▼4.41%

日経平均

注目された米企業の決算も好調で買い先行となるも後場から持高調整の売りに押されて軟調

 米国市場は堅調、注目された米企業決算は素材株も半導体製造装置株も予想を上回って好調と伝えられたことから、買い先行となりました。ユーロは軟調となったのですが、米ドルも底堅く落ち着いていたこともあり、ハイテク銘柄などを中心に買われました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後は上値の重い展開となりました。それでも、半導体関連銘柄の一角や好決算を発表した銘柄などが買われ、堅調な展開は続きました。

 後場に入るとユーロで円高となったことなどから持高調整の売りに押され軟調な始まりとなりました。売られ過ぎの反動や業績面から売り叩き難く、底堅さも見られたのですが、一気に戻ることもなく、中国景気の鈍化などが懸念されて、機械株や商社株が売られ、前場は堅調となっていたハイテク銘柄の一角も持高調整の売りに押されて軟調となり、上値の重い展開が続きました。最後は米企業の決算期待もあり、買戻しも入りましたが、戻りきらず、総じて方向感のない展開が続いています。日本企業の決算動向が見えるまでは方向感のない展開が続くのかもしれません。

 小型銘柄も方向感のない展開が続いています。ちょっとした売り買いに値を飛ばすものも見られるのですが、物色されているということでもなく、総じて方向感に乏しい感じでした。東証マザーズ指数は小幅高、日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物は朝方まとまった買いが見られた後はまとまった売り買いに乏しく、後場に入ってまた、まとまった売り買いも見られたのですが、後場中ごろからは手仕舞いの売り買いが見られるだけで、まとまった売り買いはほとんど見られず、指数の方向感を出すこともありませんでした。

 米国企業の決算発表を控えていた割りには決算動向への反応が鈍いような感じです。足元の業績は思ったほど悪くないようですが、改めて関連銘柄を買い直さなければならないほどでもないと言うことなのでしょう。日本企業の決算発表が出揃うまでは動き難いのかもしれませんが、一つ二つと米国企業の好調な業績が発表されるとさすがに反応、売られすぎたところはしっかりと水準訂正となって来るのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線は日々線を抜けかかりましたがまだ日々線の下落に合わせているような格好です。日々線は基準線に上値を押さえられており、押し目を確認する場面もありそうです。遅行線が絡む日々線は明日が底値になっており、日々線が基準線を抜けて堅調な展開となることが期待されます。RSIは上値余地があって上昇が続き、ストキャスティックスは高値圏ながら上値余地もあり、強含みの展開が続くことが期待されます。

TOPIX

NYダウ

 遅行線は日々線に押されて日々線が基準線に上値を押さえられて押し目を確かめるような動きになっています。ストキャスティックスも高値圏にありながら下落を示唆しており、RSIは上値余地はあるものの方向感はなく、遅行線が日々線に絡みながら、あるいは日々線を抜けてしっかりとサポートされるのかどうかが注目されますが、明日、しっかりとした展開にならないと再び調整となるかもしれません。

円相場

NYダウ

 上値が重くなりました。2月、3月、5月の安値水準が節目となって、戻り局面でも上値を押さえる格好となっています。ただ、RSIもストキャスティックスも底値圏からの上昇が続き、まだまだ上値余地も大きく堅調な地合いが続くものと思われます。下落となる基準線までの戻りは期待されるものと思います。

銘柄ピックアップ

業績発表を気にする動きでまちまち

東エレク(8035) 4910 △80

 米国市場が引けた後に、米半導体製造装置大手の決算が発表され、予想を上回ったことから、日本の半導体製造装置メーカーの業績も好調と連想されて買われ堅調となりました。

富士フイルム(4901) 2745 △39

 2010年4−6月期は連結営業損益が前期の赤字から一転大幅黒字となったもようと新聞で報じられ、好感する買いが入り堅調となりました。

JR東日本(9020) 5830 ▼160

 在来線の需要低迷や新幹線の需要回復鈍化から、2011年3月期業績が下振れるとして外資系証券が投資判断と目標株価を引き下げたことが嫌気されて売られ、軟調となりました。

DENA(2432) 2153 △44

 広告主と閲覧者が交流する要素を盛り込んだ携帯広告サービスを始めると新聞で報じられ、収益拡大期待から買われ堅調となりました。ここのところ大きく下落したことの反動もあって買われたものと思います。

リンガハット(8200) 978 ▼10

 昨日の引け後に2011年2月期の連結純利益が従来予想を上回りそうだと発表、同時に年間の配当も従来予想を上回ると発表したのですが、利益確定売りに押されて軟調となりました。

松 屋(8237) 749 ±0

 昨日引け後に2011年3−8月期の連結業績予想の上方修正を発表、前場は素直に好感する動きで大幅高となりましたが、後場は目先筋の利益確定売りもあって上げ幅縮小、上値の重い展開となりました。

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