ネトゲ廃人を脱するための3カ条野島美保の“仮想世界”のビジネスデザイン(3/4 ページ)

» 2010年07月13日 08時00分 公開
[野島美保,Business Media 誠]

ネトゲ廃人を脱するための3カ条

 このアンケート結果を見て、逆から解釈すれば「廃人脱出ルール」だと思った。そこで、筆者はひそかに次のようなルールを決めて実行した。

1.他人とは比較しない

 人は人、自分は自分。現実世界と同様に、ゲームでもこういう心構えが、結局は自分を助ける。現実では自信を持てずに、外見や肩書きなどのスペックを他人と比較しがちだが、ゲームは所詮娯楽なのだ。自分が気持ち良くなくては意味がない。

 みんなが持っているという理由だけで、アイテムをゲットしようとはしない。筆者は、気に入った鎧を年中着ていることがある。ゲーム友達からは「鎧の中が蒸れて臭そうだ」と言われるが、それでもよい。また、みんなのレベルが高いというだけで、寝ずにレベル上げをすることもない。レベルが低いときには低いなりの楽しみ方があるはずだ。

2.数値目標を決めない

 今週中にレベルアップしようとか、100ミリオンためようとか、地位や資産に関する数値目標を決めない。数値目標がなくても、十分にゲームを楽しむことはできる。すべてなすがまま、レア・アイテムがドロップしようが、デスペナルティ※ばかりの不運な日であろうが、淡々と遊ぶ。仮想世界で遊ぶこと自体を楽しむようにする。

※デスペナルティ……キャラクターが死亡した時に経験値が減るといった、失敗時に受けるゲーム上のペナルティのこと。

 数値目標は、やる気を引き出す大きな力になる。だから、点数とか年収とか数値目標を掲げ、効率的に時間を使い努力することが、現実世界でも推奨される。しかし、人間の心はそんなに合理的でもなければ強くもない。行き過ぎると、数値目標が一人歩きし、逆に目標に縛られ、世界を楽しむ主導権が自分の手から離れてしまう。意外と真面目な人ほど、ゲームも真面目にこなし、廃人プレイをしてしまったりする。

3.就寝時間を決める

 存分にゲームを楽しみ、就寝の時間になったら、潔くログアウトする。このルールをきっちり守ることだ。

 ギルド戦争があるとか、ゲーム友達を待っているとか、なかなか自分の思う時間でログアウトできないものだ。筆者はゲーム友達を7時間待っていたことがあったが、相手はとっくに寝落ちしていた。「眠いから寝る」とはっきり言える人の方が強い。そうもいかない場合は、何時にはログアウトすると、最初から公言しておくとよい。

 この習慣は、就寝時間と健康を確保するだけでなく、ログアウトという終わりがあることを常に意識することに意味がある。

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