ネトゲ廃人を脱するための3カ条野島美保の“仮想世界”のビジネスデザイン(2/4 ページ)

» 2010年07月13日 08時00分 公開
[野島美保,Business Media 誠]

ゲーム研究から見えてきたこと

 筆者は、ゲーム中毒について真っ向から分析をしてはいない。自分にとってあまりに生々しすぎるという理由もある。

 しかし、ゲームの有料化(マネタイズ)を考えることと、中毒的なゲームプレイは、表裏一体でもある。まったく刺激がなく没頭できないゲームは、娯楽にもならないし、ましてや有料課金もできない。しかしそれが行き過ぎると、過度なゲームプレイの社会問題が出てくる。

 下図は、オンラインゲームにおける目標設定について、3年前に行ったアンケート結果の一部である。関係(偏相関)のある項目の間を、線や点線で結んでいる。

 まず、ゲーム内で「目標をもつ」という回答は、「ゲームキャラの成長」「ゲームの上達」「欲しいゲームアイテム」「ゲームマネーの貯金」という4つの具体的な目標に分かれた。特に、太い線で結ばれた「欲しいゲームアイテム」は、ゲームの目標として強力であった。

 ゆるやかな関係ながら、4つの目標すべてと関連するのが、「他人との比較」である。ビジネス風に解釈するならば、「友達がどんな遊び方をしていて、どんなアイテムを持っているか」と他人を意識させる仕組みをゲーム内に作ることが、人気ゲームの鍵となる。

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