決算発表を前に景気回復鈍化懸念が薄れて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月12日 08時30分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10198.03△59.04

<NASDAQ>2196.45△21.05

<為替:NY終値>88.57-88.63

タイトル

 特に注目される経済指標の発表が見られない中で、週明けからの主要企業の決算発表を前に手仕舞いの買戻しなどもあり、堅調となりました。前日までの上昇を受けて利益確定売りなどもあって、上値の思い場面も見られましたが、底堅さが確認されると最後は買戻しを急ぐ展開となり、堅調となりました。欧州金融不安が薄れたこともあり、信用収縮が一段落となったことで、リスク資産からの資金流出も止まり、買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 持高調整の売り、リスク許容度の低下からの資金流出が止まると底堅さが見られ、底堅さが見られるとセンチメントが上向いて売り方の買戻しが加速されるというような展開になりました。先週は特に経済指標が好転したなどということがあったわけではなく、日本市場などと同様に欧州金融不安や景気回復鈍化に対する「懸念」が薄れたことで目先の需給が好転、需給の好転がまたセンチメントを上向かせて堅調な相場展開となったものと思います。

 個別には中国政府がインターネット事業者に関する免許の更新を認めたと発表したグーグルが堅調、連れてヤフーやアップルなども堅調となりました。アナリストの好意的な見方が伝えられたビザが買われ、連れてアメリカン・エキスプレスも堅調、欧州のストレステスト(資産査定)でも問題はなさそうだと伝えられたこともあり、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株が軒並み堅調となりました。景気回復鈍化懸念も薄れ、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアといった景気敏感銘柄も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や為替の落ち着きに加え、オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む買いも入り買い先行となったものの、週末の手仕舞い売りもあって、寄付きの買いが一巡した後は軟調となる場面もありました。ただ、米国などでの懸念材料が薄れていることに加え、決算発表を前に足元の業績面から売られすぎている銘柄も多く、週末の買戻しもあって、堅調となりました。外国人も買い越し基調と伝えられたことも下支えとなったものと思います。

 週明けの日本市場は週末の米国市場が堅調となったことから底堅い堅調な展開が期待されますが、参議院選挙で与党が過半数割れとなったことでの政局の混乱を懸念した動きや先週末までの上昇の反動もあって、上値も限定的となりそうです。持高調整の売りが一巡となった感もあり、売り急ぐ場面などは見られないのでしょうが、売り一巡の後の買い戻し一巡もあって上値は重くなりそうです。ただ、売られ過ぎと見られるような商社株やハイテク銘柄の一角は引き続き買戻しを交えて堅調な展開が期待されます。

 日経平均は9500円〜600円水準の節目で上値を押さえられていますが、今度は9500円を割り込まないことで9500円〜600円水準での「下値固め」となって来るかもしれません。5月、6月につけた安値水準=9400円割れの水準は抜けたと考えてもいいものと思われ、9500円を割り込まないことが理想ですが、9400円水準を割り込まなければ戻り歩調が続いていると見ても良いものと思います。9500円〜600円水準を固めて9800円〜900円水準の節目を目指すことになりそうです。

本日の注目点

◇6月の企業物価指数(日銀)

◇1−6月のビール系飲料出荷量

◇3−5月期決算東宝

◇ラッカー・米リッチモンド連銀総裁講演

◇米3年物国債入札

◇4−6月期決算:アルコア

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