総合評価方式のもう1つの問題は、「基準が多すぎると、わけが分からなくなって選べなくなる」ことです。
大事なものを選ぶ時には、比較基準がやたらと多くなりがちですが、その基準が10個を超えると、比較しようにも複雑すぎて分からなくなってしまいます。そんな場合、それぞれの基準を数値化してExcelに入力し、平均をとって決めようなどと考える人もいますが、これでは大事な人生の判断が単なる“数字遊び”に終わってしまう可能性があります。
実はこういった比較基準の多い複雑な判断が求められる時こそ、一点豪華基準方式の出番です。この方式で考える時には、自分が大事だと思う1つの基準以外については、考えうる限りの悪条件を想定するのです。そして、そんな悪条件が揃ったとしても、「ただ、ある1点だけ満足できる状態であれば、自分はこれを選びたいか?」と考えます。それにより、自分にとっての“一点豪華”がどの基準なのかが明確になります。
就職する会社を選ぶ例で考えてみましょう。「自分にとっては給料が高いことが最も大事だ!」という人なら、それ以外の条件にはトコトン目をつぶる。これが一点豪華基準主義です。そして、自分に問うのです。「自分は、たとえその仕事が……
また、「自分にとって給料はどうでもいい。仕事が面白ければそれでいいのだ!」というなら、上記の一部項目を、
と入れ替えて考えてみればいいでしょう。
また、「自分は趣味のバンド活動に使える時間さえ確保できれば満足だ」というなら、「労働時間は9時〜17時で残業はゼロ。夕方以降の時間は毎日自由に使える。ただし、非常に退屈な仕事で給料も低い。それでも自分はバンド活動ができれば幸せか?」と考えればいいですよね。
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