引き続き米国株高や円安を好感、週末の手仕舞い売りをこなして堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月09日 17時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が堅調、ダウ平均は連日の大幅高となったことや円安を好感して買われ、堅調となりました。寄り付きはオプションSQ(特別清算指数)に絡む買いも入り、買い先行となった後は週末ということで手仕舞い売りに押される場面も見られました。それでも海外での懸念材料が一段落、持高調整の売りも一段落となった感も強く、底堅い堅調な展開となりました。ただ、参議院議員選挙を控えた週末ということもあり、積極的に買い上がるような動きもなく上げ幅も限定的となりました。

 業績が芳しくないといって大きく売られる銘柄や好調な決算ということで買われる銘柄などが見られますが、ある程度「分かっていたこと」として織り込まれている部分とそうでないケースが見られます。証券会社のアナリストの投資判断や業績見通しなどでも株価が動く場合がありますが、どこまで織り込まれていたと見ればいいのでしょうか。アナリストのレポートなどは何だか訳の分からないものも多く、結局、投資判断や目標株価だけが一人歩きしていることが多いのではないかと思います。

 実際、投資対象の株式を買うとき、売るときは本来であれば、足元の業績動向を見て、会社の方針などを聞いて、為替などの周りの環境やその見通しを考えて・・・、と大変な作業が必要になります。ですから、そうしたことを代わりに調べてあるようなレポートであれば、非常に有用ではないかと思います。ただ、総じてアナリストレポートというのは分かり難い言葉や難しい言葉が羅列してあり、その会社や業界の動向を理解する前にレポートそのものを理解する必要があるようなものが多いような気がします。

 難しいことを難しく話したり、簡単なことを難しく話したりすることは簡単であり、アナリストのレポートなどもそういった傾向にあると思います。ただ、投資家に必要なのは難しいことを簡単に話したレポートだと思います。アナリストと言われる人達はその企業を調べて自分が分かったこと、話したいことを話すことが多いのですが、本来であれば投資家の聞きたいことを話す、知りたいことが簡単な言葉で書かれたレポートが必要ということなのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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