日本と中国はどう違う? 未就学児の教育事情

» 2010年07月09日 08時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 成長著しい中国。孟母三遷(もうぼさんせん)という言葉もあるように、昔から教育は重視されていたが、日本とどのように異なっているのだろうか。

 矢野経済研究所の調査によると、日本の3〜6歳の未就学児を持つ母親と北京・上海の3〜6歳の未就学児を持つ母親に「育児で関心の高いこと」を尋ねたところ、日本では1位「生活習慣(早寝早起きなど)」(53.4%)、2位「あいさつ・礼儀」(46.2%)、3位「栄養管理(好き嫌いをなくす)」(33.1%)など身の回りに関することへの関心が高かったが、中国では1位「学力向上」(67.3%)、2位「体力向上」(61.3%)、3位「習い事」(46.0%)など、子どもの教育に直結した分野を重視している母親が多かった。

育児で関心の高いこと(出典:矢野経済研究所)

 習い事の状況を見ると、日本では42.9%しか習い事をしていないのに対し、中国では88.0%が習い事をしていた。習い事の種類では、日本では1位「水泳」(35.2%)、2位「体操・リトミック」(25.7%)、3位「語学・外国語会話」(20.5%)、中国では1位「幼児教育(知育など)」(31.8%)、2位「バレエ・ダンス・舞踊」(22.7%)、3位「水泳」(22.0%)と傾向が異なっていた。

習い事の種類(出典:矢野経済研究所)

 将来的な教育スタンスについていくつか質問すると、日中で大きく傾向が異なっていたのは「生活レベルを落としてでも教育へは惜しみなく費やす」(日本10.6%、中国70.7%)、「子どもが勉強するためには親の介入は不可欠」(日本25.4%、中国57.3%)、「子どもの自主性を重んじ、親としては教育に対して介入はしない」(日本7.6%、中国47.3%)。矢野経済研究所では「中国では多くの人は教育に対して熱心であるが、その取り組みには大きな差が生じている」とコメントしている。

 インターネットによる調査で、対象は日本の3〜6歳の未就学児を持つ母親489人と北京・上海の3〜6歳の未就学児を持つ母親150人。調査時期は2010年5月。

将来的な教育スタンス(出典:矢野経済研究所)

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