相変わらず目先の需給に振らされて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月07日 17時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 昨日とは反対に特に材料が出たわけでもないのですが目先筋の見切り売りや持高調整の売りに押されて軟調となりました。米国市場は堅調、為替も落ち着いた展開となったのですが、目先筋の利益確定売りや手仕舞い売りが嵩むと「売られた」という動きを見て改めてる売るような動きもあり、軟調となりました。むきになって売り叩く動きもほとんど見られなく、最後は下げ幅縮小となりましたが、先物にまとまった売りが散発的に見られ、その都度指数が押し下げられるような展開でした。

 オプションSQ(特別清算指数)算出への思惑もあって指数が右往左往しているのかもしれません。SQも含めて、ここ何年かの市場は本当に目先的な値動きを見て動く向きが多いような気がします。米国市場でダウ平均がこの水準であれば、この銘柄はここまで買える、あるいはここまで売らなければならないなどというようなことでもなく、為替がいくらだからどこまで売り、どこまで買うかなどということもなく、あくまでも目先の値動きについていこうという向きが多いようです。

 目先の値動きに反応するのもいいのでしょうが誰もが目先の値動きばかりを追っているのであれば、市場は一方向に動き始めるとなかなか逆転することも難しいということになるのでしょう。そして逆転が難しくなるので逆転しないことを前提に目先筋も売り買いするものだからますます動きが固まってしまうということなのでしょう。昨日のようにたまに、前場と後場で全く違う動きとなることもありますが、ほとんどの場合、その日の寄り付きでその日の方向が決まってしまうような感じです。

 日中の経済指標や外部の動向にも反応しているようでほとんど反応しておらず、目先の値動きだけを気にしている向きも多いのでしょうが、その日その日で相場の方向を掴もうとするのではなく、大きな流れをしっかりと把握した後、その日の相場の方向性を見極める方がいいのではないかと思います。そして、昨日のように一日のうちに目先的な方向感が変わったとしてもその変わった方向感が大きな流れの中で変わった可能性があるものなのか、どうかをしっかいrと見極めたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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