特に材料のない中で目先の需給に降らされ、前場は軟調、後場は堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年07月06日 16時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9338.04円 △71.26円
売買高 18億6256万株
日経平均先物 9350円 △90円
売買代金 1兆1733億円
TOPIX 847.24 △10.35
値上がり銘柄 1179銘柄
東証マザーズ指数 399.97 △4.19
値下がり銘柄 346銘柄
日経ジャスダック平均 1230.60円 ▼0.86円
変わらず 148銘柄
騰落レシオ 92.86% △4.46%

日経平均

特に材料のない中で目先の需給に降らされ、前場は軟調、後場は堅調

 米国市場は休場、欧州市場は軟調ながらも大きな動きはなく、為替も落ち着いていたのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり売り先行となりました。中国経済の減速や円高を取りあげて売り要因とする見方もありましたが、特に材料視されて売られたというよりは持高調整の売りが出たということではないかと思います。株が売られると円高に振れてますます株が売られるというような展開で、昨年7月や11月の安値を窺うような大幅安となる場面もありました。

 前場も寄り付きからの売りが一巡すると、昨年の安値を意識するところで底堅さが見られ戻り歩調となっていたのですが、昼の時間帯に円高が進むこともなく、中国株も堅調となったこともあって目先筋の買戻しを急ぐ動きから、後場は買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡した後も、目先筋の買戻しは続き節目の一つと見られる9300円をしっかり抜けて底入れ感が強まり、為替も円安に振れたこともあって、最後まで買戻しは続き堅調な引けとなりました。9300円台で引けてきたことで、底入れ感も強まったものと思います。

 小型銘柄にも堅調なものは散見されましたが、主力銘柄が買い戻しで堅調となった割には軟調となるものも見られました。東証マザーズ指数は堅調となりましたが、日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物は朝方はまとまった売りかが見られて指数を下押したものの、後場に入ると一転してまとまった買いが見られ、逆に指数を押し上げる要因となりました。最後まで買戻しを交えて買いが続き、指数を押し上げる要因となりました。

 さすがに特に材料もないなかで昨年7月や11月の安値を割り込むことはありませんでしたが、一時大幅下落となるなど、指数の動きは市場のセンチメントに簡単に振らされる展開となっています。先行きに対する不安が根強く、下向きの材料や動きには敏感に反応してしまうということなのでしょう。昨年7月の安値をつけた後の戻り相場や昨年11月の安値をつけた後の急騰などよりも、どうしても一昨年の秋からの暴落など下げがきつかったことの方の記憶が鮮明で、買い急ぐよりは売り急ぐことになってしまうのでしょう。明日もしっかりとした展開で9400円水準を抜けてくれば底入れ感がかなり強まるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 孕み足を下に放れたかと思われましたが大きな「包み足」となり「抱きの一本立ち」という形で底入れのパターンとなりました。RSIはまだ下値余地はあるのですが、ストキャスティックスは底値圏から上昇となり、明日も堅調な展開となると底入れとなる可能性がかなり高まりそうです。

TOPIX

NYダウ

 下値を確認して上に抜けたことで底入れ感が強まりました。RSIはまだ下値余地があるのですが下げ止まった感もあり、ストキャスティックスは底値圏からの戻りを試す展開となっており、明日も堅調であれば底入れとなるものと思います。

円相場

NYダウ

 底堅さは見られるものの上値も重く戻りません。RSIやストキャスティックスは底値圏にあり、基準線や移動平均線との乖離も大きく、買戻しなどから戻りを試す動きとなっても良いところですが、いっこうに戻りません。遅行線が日々線の戻り高値の日柄で「天−底」一致の日柄から戻りを試す動きになるのかもしれず、もう少し底値固めということなのかもしれません。

銘柄ピックアップ

目先の需給に右往左往する展開

ABC マート(2670) 3290 ▼80

 昨日の引け後に6月の既存店売上高を発表、昨年10月以来8カ月ぶりの前年比マイナスとなったことが嫌気されて売られ軟調となりました。

井筒屋(8260) 64 △5

 昨日の引け後に発表した3−5月期決算で連結最終損益が4月に計画してた3−8月期の純利益予想を大きく上回り、新たに純利益予想を引き上げたことが好感され、大幅高となりました。手掛かり難の相場のなかで、値動きの良い銘柄ということで目先筋の買いも入ったものと思います。

ビックカメラ(3048) 35500 ▼500

2009年9月−2010年5月期の連結営業利益が前年同期比58%増となったもようと新聞で報じられたのですが、昨日まで大きく上昇していたことの反動から材料出尽くし感から軟調となりました。

NTTドコモ(9437) 139300 △2300

 前場から為替の影響の少ないディフェンシブ銘柄として堅調な展開となっていましたが、昼休みの時間帯に来年春から「SIMロック」を解除する機能を搭載すると報じられたことから収益拡大期待から買われ一段高となりました。

キヤノン(7751) 3350 △65

 特に材料が出たわけではないのですが、前場は円高を嫌気する動きや持高調整の売りに押されて軟調となりましたが後場に入って総じて堅調な展開となると目先筋の買戻しも入り堅調となりました。

新日鉄(5401) 296 △9

 特に材料が出たわけでもないのですが、中国の景気減速懸念から昨日まで大きく売られていたたことの反動から、朝方の持高調整の売りが一巡すると底堅さを確認して買戻しを急ぐ動きとなり大幅高となりました。

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