経済指標への悲観的な反応は続き、3連休前の手仕舞い売りもあって軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月05日 08時41分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9686.48▼46.05

<NASDAQ>2091.79▼9.57

<為替:NY終値>87.75-87.81

経済指標への悲観的な反応は続き、3連休前の手仕舞い売りもあって軟調

 前日までの大幅下落の反動などから、堅調な始まりとなったものの、雇用統計で雇用者数の減少幅は予想より大きく、失業率は予想よりも強い数字、非農業部門雇用者数も予想された範囲内との見方や民間部門の雇用の伸びを好感する動きもあって、強弱まちまちとなりました。ただ、3連休を控えた週末ということや製造業受注額も予想を下回ったことから、総じて悲観的な反応となって、軟調となりました。センチメントの悪さが雇用統計に対する見方もシビアにして、景気回復鈍化懸念を増幅させているようです。

 これまでのように鮮明に景気の回復を示す展開ではないのですが、単純に悲観的な見方が強まったことで市場では軟調に反応しているようです。今後も景気指標などにはシビアな反応となるものと思われますが、決算動向をにらみながら、景気の底堅さ、業績の回復が確認されて戻りを試すことになるのではないかと思います。足元の業績の好調な銘柄や楽観的な見通しを示す企業が2〜3現れると底入れ感も出てくるのでしょう。

 個別には景気に対する悲観的な見方が続きGE(ゼネラル・エレクトリック)やキャタピラー、アルコアといった景気敏感株が軟調、ウォルマートやホーム・デポなども売られました。前日は自動車販売が好調ということで買われたフォード・モーターも売られ、インテルやIBMなどハイテク銘柄も軟調なものが目立ちました。金融不安が強まったわけでもないのですが、地合いの悪さや景気の先行きに対する懸念からバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株も軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国市場動向や為替動向と関係なく週末の持高調整の売り買いに振らされて小動きとなりました。米国での週末の経済指標の発表や3連休を控えての動きが気になり、いったん手仕舞うということで、売られていた銘柄は買戻しが入って堅調、売られていなかった銘柄は改めて売り直されて軟調となった感じです。外国人も売り越しと伝えられた割りには底堅く、個別の材料にも反応は鈍く目先の需給要因だけで動いていたような感じです。

 週末の米国市場は軟調とはなりましたが、為替も小動きとなったこともあり、底堅い堅調な展開が期待されます。欧州金融不安や米国での景気回復鈍化懸念、中国での景気拡大鈍化懸念はあるものの、先週の売りで既に大きく下落していることや米国市場が3連休となっていることなどから、いったん週末のヘッジ売りの買戻しなどから底堅い堅調な展開が期待されます。為替の落ち着きなどから円高を受けて大きく売られた輸出株の一角などは買戻しもあって堅調な展開が期待されます。

 日経平均は引き続き9000円を意識するところでの底堅さを確認することになりそうです。9500円から600円水準をしっかりと抜けてこないと底入れ感は出ないのでしょうが、9000円を大きく割り込むところまではいかないものと思います。9000円台前半での底値固めとなるものと思われ、割安感が強まっているものから底堅さが見られ、堅調なものも多くなって来ると思います。当面は9000円を割り込むのか割り込まないのかが注目されるのでしょうが、9000円水準は割り込まないと思います。

本日の注目点

◇6月の景気動向調査(帝国データ)

◇3−5月期決算:ローソン(2651)

◇5月のユーロ圏小売売上高

◇米国は独立記念日の振り替え休日で全市場休場

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