PVJapan 2010と同時開催されていた「第5回 新エネルギー世界展示会」は、再生可能エネルギー技術の開発や普及促進、産業振興発展などを目的として結成された再生可能エネルギー協議会が主催。出展していたのは、産業技術総合研究所(産総研)や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などの研究開発系独立行政法人や、東京電力、東京ガスなどのエネルギーユーティリティ企業、三菱重工業、川崎重工業、日立製作所などの重電・社会インフラ企業などだ。
産総研のブースでは、リチウムイオン電池のエネルギー密度を大幅に超えるポストリチウムイオン電池や、排熱を直接電気に変える熱発電システム、非食用バイオマスを使ったバイオ燃料製造技術、次世代エネルギーである水素を効率良く製造する技術、同じく次世代エネルギーとして資源開発が期待されているメタンハイドレートやガスハイドレート機能を活用する技術など、産総研の研究開発成果がパネルなどで展示されていた。
メタンハイドレートの資源開発では、海面下1000メートル以上、海底下200〜300メートルの高圧・低温環境下で安定しているメタンハイドレート層にパイプを挿入し、減圧して水とメタンを分離・回収する「減圧法」を開発。2015年度までの第2フェーズでは実証試験を繰り返して安全性や手法を確立し、2016年度から2018年度までの第3フェーズで商用化に向けたフィージビリティスタディを実施する計画になっているという。
東京電力や東京発電などの東京電力グループは、空気の熱で湯を沸かすヒートポンプ給湯器「エコキュート」などの省エネ機器や、上水道管を流れる水や農業用水、下水処理後の再生水放流などの小規模水資源を利用したマイクロ水力発電事業の提案などをブースに展示。
一方、東京ガス/日本ガス協会のブースでは、家庭用燃料電池「エネファーム」と太陽電池を併用したダブル発電や、スマートエネルギーネットワークのコンセプト模型、太陽熱を利用した冷房システムなどを展示していた。電力会社は熱エネルギーの分野に、ガス会社は電気エネルギーの分野にそれぞれ裾野を広げて行こうとしているのが興味深い。
三菱重工業、川崎重工業、日立製作所の重電・社会インフラ企業は、原子力・火力・風力・地熱・バイオマス発電プラントなどの模型や紹介パネル、ハイブリッドフォークリフト用リチウムイオン電池や、超低床バッテリー駆動路面電車用の大容量ニッケル水素電池、スマートグリッドのコンセプトパネルなど、それぞれの企業が得意とする分野の省エネルギー技術・新エネルギー技術を展示していた。
このほか、発電出力数キロワットクラスの小型風力発電システムや、風力発電や太陽光発電で電力を供給する街路灯、ループ形状にすることで風切り音を減らした風力発電用プロペラ、海流発電装置の模型なども展示されていた。
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