景気回復鈍化が嫌気されてダウ平均は6日続落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月02日 08時41分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9732.53▼41.49

<NASDAQ>2101.36▼7.88

<為替:NY終値>87.56-87.62

経済指標が予想を下回り、景気回復鈍化が嫌気されてダウ平均は6日続落

 前日までの下落の反動や欧州金融不安が薄れたことから、堅調となる場面もあったのですが、ISM製造業景況感指数や住宅関連指標が予想を下回り、新規失業保険申請件数も芳しくないことから、景気回復の鈍化が懸念され、信用収縮の動きもあいまって一時大幅下落となりました。さすがに、大きく売られる場面では買戻しなども見られましたが、買い上がるだけの材料もなく、軟調となりました。センチメントが悪い中でちょっとした芳しくない数字に敏感に反応してしまうようです。

 欧州の金融不安は一段落となったのですが、その影響が取りざたされるなかで、先行きに対する悲観的な見方が強まって来たようです。景気指標が芳しくないことに加え、リスク回避の動きが強まりました。ただ、さすがに債券は買われすぎ、株式は売られすぎという見方もあり、値ごろ感からの買いも見られたようです。今後は超低金利継続や長期金利の低下がどの程度個人消費などの回復に結びつくかが注目されることになるのかもしれません。

 個別には住宅指標の悪化にもかかわらずレナーなど住宅関連銘柄に堅調なものが多く、新車販売台数が好調でフォードは大幅高となりました。取締役会で自社株買い枠の設定が承認されたヤフーも堅調となりました。景気の二番底懸念が強まったことで、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)は軟調、金先物価格が大幅下落となったことから、パブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなどは大幅安となりました。インテルやIBMなどハイテク銘柄も軟調なものが多くなりましたが、値ごろ感からの買いが入る銘柄も見られ、マイクロソフトなどは堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は注目された日銀短観は予想を上回り、景況感の改善は見られたのですが、米国株安や中国経済指標が予想を下回ったことなどを嫌気する売りに、持高調整の売りも加わって大幅下落となりました。先物の買戻しなどから下げ渋る場面もありましたが、買戻し以外に買いは続かず、指数を支えるような動きもありませんでした。世界的な信用収縮から持高調整の売りが続いているということなのでしょう。

 米国市場は軟調となり、為替も大きく円高に振れましたが、ユーロが堅調となり、為替の影響は相殺されるのではないかと思います。週末ということで手仕舞い売りも出るのかもしれませんが、昨日までに大きく下落していることや下値の節目を意識する水準であること、シカゴ市場(CME)日経平均先物が比較的底堅かったことなどから、週末の買戻しもあって、底堅い展開となりそうです。ただ、為替の動きが気になることや週末に米国での主要な経済指標の発表を控えていることから、積極的に買い上がるというよりは売り難いというだけで、底堅さは見られても大きく戻りを試すようなことにはならないでしょう。

 対米ドルで大きく円高に振れたことで、輸出関連銘柄は軟調な展開となり、指数を押し下げるかもしれません。下値の節目は昨年7月、11月の9000円を意識するような水準しかなく、持高調整の売りがまだ続くようであれば、9000円を意識する水準まで売られることになりそうです。ただ、いずれにしても9000円を意識するところからは値ごろ感からの買いも入ると思われ、底堅さは見られるのでしょう。買戻しなどで戻りを試す展開となっても9300円台になると上値も重くなるものと思います。

本日の注目点

◇6月の米雇用統計

◇5月の米製造業受注額

◇5月のユーロ圏失業率

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