期末の手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月01日 08時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9774.02▼96.28

<NASDAQ>2109.24▼25.94

<為替:NY終値>88.42-88.48

欧州金融不安も薄れたが期末の手仕舞い売りに押されて軟調

 朝方発表された雇用指標は予想を下回りましたが、シカゴ購買部協会景気指数が予想を上回ったことや欧州中央銀行(ECB)の資金供給オペ(公開市場操作)で欧州金融機関の資金繰りが懸念されたほどではないと見られたことや前日の大幅下落の反動から堅調な展開となりました。ただ、スペイン国債の格下げの話題が出ると四半期決算に絡む持高調整の売りも嵩んで下落に転じ、ナスダック指数は大幅下落、ダウ平均も軟調となりました。

 欧州金融機関の資金繰りも懸念されたほどではなさそうですが、格下げの懸念などでリスク許容度は明らかに低下、リスク回避=信用収縮は続いているようです。雇用に対する懸念も残りそうですが、ユーロの落ち着きなどを見ると金融不安、信用収縮が6月でいったん終わった、ということになれば、今度は金利低下などを好感するような売られすぎの修正も起きて来るのではないかと思います。今後も経済指標に振らされることになるのでしょうが、ある程度の景気回復鈍化までは織り込んだと見てもいいのではないかと思います。

 個別には持高調整の売りが主力株に見られ、ダウ採用30銘柄の中で堅調なものはスリーエムだけとなりました。ただ、業績悪化や景況感の悪化などから売られたというよりはむしろ目先の需給要因だけということなのだと思います。金価格の上昇を受けてパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなどの金鉱株が高くなりました。四半期決算の内容が予想を下回ったモンサントや決算と併せて発表した利益見通しが慎重ということでゼネラル・ミルズが売られ、期末の手仕舞い売りに押されて、インテルやIBM、アップルなどのハイテク銘柄も軒並み軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を受けて売り先行となり、寄り付きの売りが一巡した後も外国人が売り越しと伝えられたこともあって戻りも鈍く、大幅安となりました。月末のお化粧買いも期待されましたが、逆に持高調整の売りも嵩んで大きな下落となりました。ただ、為替や業績に関係なくこれまで売られ過ぎていた銘柄に堅調なものも見られ、持高調整の売り買いが中心であったものと見られます。持高調整の売りが一巡となると、底入れ感も出てくるのでしょう。

 為替は落ち着いているのですが、米国株が持高調整の売りもあって下落したことで、に日本市場も軟調な展開となりそうです。寄り付き前に発表される日銀短観は足元の景況感はいいのでしょうが、先行きに対する懸念は根強く、慎重な見方で冴えないものとなりそうです。予想外に楽観的な見方が多いようであれば、欧州金融不安も一服ということで為替の落ち着きもあり、底堅さも見られるのではないかと思います。好調な業績を発表しながらも売られすぎとなっている銘柄も見られるのですが、そろそろ業績面で選別されながら反発となるものも出てくるのではないかと思います。

 9500円〜600円水準もあっさりと割り込み、5月27日、6月9日の安値も割り込んで、今度は昨年7月、11月の安値水準である9000円を意識する水準まで売られるのかもしれません。ただ、昨日の相場でも底堅い銘柄も散見されるところを見ると、月替わりということで、持高調整の売りが一巡となる、あるいは日銀短観の数字次第では案外底堅い堅調な展開となる可能性もありそうです。いずれにしても10000円水準がまた遠のいた感じですが、当面は9000円台での底値固めのような展開となるのではないかと思います。

本日の注目点

◇6月の日銀企業短期経済観測調査(短観)

◇6月と10年上半期の新車販売台数(自販連)

◇6月と10年上半期の軽自動車販売台数(全軽自協)

◇3−5月期決算:セブン&アイ(3382)

◇6月の米新車販売台数

◇6月の米ISM製造業景況感指数

◇5月の米仮契約住宅販売指数

◇5月の米建設支出

◇6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)

◇香港株式市場が特別行政区設立記念日で休場

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