夜ジャズ――酒、煙草、そして色気の漂う“オトナ”のためのイベント

» 2010年07月01日 08時00分 公開
[加藤宗肖,Business Media 誠]
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 DJの須永辰緒氏が仕掛けるイベント「須永辰緒の夜ジャズ」。クラシックジャズと一線を画し、「クラブやフェスで活躍している現役バリバリのアーティスト」「酒、煙草、そして色気の漂うイイ匂いのする“クールガイ”なアーティスト」をコンセプトに掲げたクラブDJ発の新たなジャズムーブメントだ。

夜ジャズ

 6月27日に、新作CD「須永辰緒の夜ジャズ・外伝〜ALL the young dudes〜すべての若き野郎ども」のリリースパーティが開催された。会場には、カシオ計算機の電波ソーラー腕時計「OCEANUS」が飾られている。何とも異色なコラボレーションだ。

 会場は、渋谷セルリアンタワー内にあるジャズクラブ「JZ Brat サウンドオブトーキョー」。ジャズバンドによる生演奏と、DJによるジャズレコードプレイが交互に入れ替わる構成で、会場には音楽関係者のほか、多くのジャズ愛好家が詰めかけた。

夜ジャズ

 BLACKQP’67、cro-magnon、LABBERLOOPといったジャズバンドによる生演奏では、イベントのコンセプトどおり、大人の色気を漂わせたナンバーが続く。そうかと思うと、ジャズ風にアレンジされたマイケル・ジャクソンの「スリラー」がアップテンポに演奏される。筆者が抱いていた上品でどこか気取ったジャズのイメージとはまったく異なる。

 一方、須永辰緒、DJ Niche、PAOらDJプレイでは、クラシックジャズのレコードを使いながらもアップテンポなドラムやベースの音が強い音源とリミックス。こちらもノリが非常によく、それでいて原曲のジャズのムードを損なわず、重低音が単調に響くクラブミュージックとは違う世界を演出する。

夜ジャズ夜ジャズ

 プレイするレコードの中には、10万円を超えるレアなレコードもあり、しかもその場で即売会が開催される。ジャズの名盤を聞けるばかりか、手に入れるチャンスまであるのか! と驚かされる。

 咥え煙草でターンテーブルを回すDJらの姿だけを見ると、とてもジャズのイベントとは思えない。イベント参加者も特段気取ったファッションは少なく、適度にオシャレで気軽な感じ。

 会場には、OCEANUSの全ラインアップが展示される。レコードをプレイするDJやトランペットを持つバンドマンの腕にもOCEANUSが光っている。それだけでなく、会場限定のオリジナルカクテル「OCEANUS」も振舞われる。

夜ジャズ 腕時計のOCEANUSとカクテルのOCEANUS

 OCEANUSは海をイメージしたブルーの文字盤が特徴的。これは、マリンスポーツだけでなく、欧州の男性に人気のヨット(セーリング)を意識してのこと。“大人”な男性を表現することに注力しているのだ。

 カシオ計算機の中野弘一氏は、「OCEANUSのターゲットは都会的で洗練されていながらも遊び心を持つ“オトナ”な男性。夜ジャズのコンセプトと見事に合致している」と語る。ジャズ関係者にもOCEANUS愛好者は多く、例えば、東京スカパライダイスオーケストラの谷中敦氏も愛用者の1人だそうだ。

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