米国株安や円高を嫌気した売りにや持高調整の売りが嵩んで大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年06月30日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 海外株安や円高などを受けて大幅下落となりました。世界的な景気減速が取りざたされて売られたものと思われますが、好材料への反応は鈍く、また為替の影響の大きい輸出株の一角が堅調となったり、ディフェンシブ銘柄と見られる電鉄株もまちまちとなっているところを見ると、相変わらず持高調整の売り買いが相場を大きく動かしているものと思われます。米国経済指標や中国の景気拡大鈍化を嫌気するように海外で大きく売られたということのようですが、月が変われば動きも変わって来るのかもしれません。

 後場中ごろから利益を確定いするための買戻しや売り一巡感が見られて下げ幅縮小となりましたが、5月27日と6月9日の安値水準を割り込む場面もありました。「ダブルボトム」となっていたものが「トリプルボトム」となるのかどうかというような感じですが、とりあえずは「節目」と見られる水準=前の安値で下げ渋ったと見てもいいと思われます。このように「前の」高値や安値が一つの節目となり、不思議と下げ止まったり(「ダブルボトム」)上値が重くなったりすることが多いのです。

 いわゆるリーマンショックと言われた2008年10月安値と2009年3月安値も同じような水準であり(ダブルボトム)、逆にその暴落の前の高値は2007年2月と2007年7月の水準がほぼ同じ水準(ダブルトップ)となっているのです。チャート分析も一言で言えばこうした「節目」を見つけて、次に株価がどうなるのかを知ることであり、「教科書通り」に売り買いのパターンを覚えるよりも節目を見つけて自分のいる位置などを考えて見た方がいいと思います。

 チャート分析はこのように「節目を見つける」ことといってもいいくらいで、加えてチャートから「誰が何をしている相場なのか」を知ることだと思います。節目を知り、誰が何をしているのかが想像できれば、どの水準で誰が何をするのか、しているのかがわかり、相場の予測も、そして何よりも今自分は何をしなければならないのかを知ることが出来ると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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