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» 2010年06月30日 15時01分 UPDATE

インタビュー:ナチョ・カーボネル「ポスト・フォッシル」展

東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「ポスト・フォッシル:未来のデザイン発掘」展連動企画、リレーインタビュー。参加作家のナチョ・カーボネル氏に聞く。

[木熊太郎,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

エキサイトイズムとは?

「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。

※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「ポスト・フォッシル:未来のデザイン発掘」展。展覧会ディレクターのリー・エデルコート氏が「21世紀デザイン界のピカソ」と称する、注目のデザイナー、ナチョ・カーボネル氏に聞いた。

今回の展覧会に出品した作品について、発案から実際の製作までの期間、この素材を選んだ理由を教えてください。

 「Evolution Collection」というシリーズを中心に出品しています。このシリーズは1つ1つに物語や感情が込められています。私は自分が作る作品はすべて生き物だと思っているので、家具の形が心や感情的なものを語っています。

エキサイトイズム 「Evolution Collection」より「Lover's Chair」

 1人掛けの「One Man Chair」では、開かれた公けな状況と内にこもった私的な状況を象徴し、「Lover's Chair」では恋人同士の関係を表し、それぞれが違った役割を持っているのです。素材には、印刷された紙をリサイクルした、パルプを用いています。

エキサイトイズム 「One Man Chair」

 2007年の年末、友人たちとのパーティーを開いたときに、紙という素材に興味を持ち、2008年は紙をつかった制作をしようと、宣言をしました。そして、実際に印刷物リサイクルの現場に足を運び、紙の山に出会ったときに、私にはゴミの山ではなく、ダイアモンドの原石のように見えました。

エキサイトイズム

 紙という素材には情報を記載して、メッセージを伝える機能がありますね。例えば新聞です。しかし、紙によって情報がPushされ続け、どんどん情報の洪水に押し流されるのに疑問を持っていました。そこで、どうにかして、違った機能を持たせて、情報から逃れるための解決案ができないかと考えたのです。そこから最初の作品が生まれて、今回の「Evolution Collection」まで発展してきました。

1人のクリエイターとして、未来のデザインはどうなると思いますか?

 いまよりもっと、複雑化していくのではないかと思います。いまは、分野ごとに「プロダクト」「空間」などに分かれていますが、それらがもっと細分化されると思います。まるで木の枝が幹から小枝へと枝分かれするようにね。

コミッションワークが多く、大量に生産されるプロダクトは手がけられていませんが、今後は手がける可能性がありますか?

 私の作品は自分でも買えないほど高価ですよね(笑) 確かにそう思います。大量に生産されるプロダクトは、1つの素材や1つのモデルに集中して時間を費やさなければならないという状況がいまと違います。私の頭の中でも片隅では、大量に生産されるプロダクトづくりを考えていますが、タイミングや状況が整うのを待っている状態でしょうか? 私の作品は家具が多いですから、もし手がけるとしたら、家具からかもしれません。たぶんね(笑)

エキサイトイズム 6月26日に開催されたトークシリーズ「ポスト・フォッシルな人々」vol4は超満員

Nacho Carbonell(ナチョ・カーボネル)

デザイナー。1980年生まれ。オランダを活動拠点とする。2003年スペインの大学カルデナル・エレラC.E.Uを卒業後、デザインアカデミー・アイントホーフェンで学び、2007年1月27日、優等賞で卒業。卒業制作の2作品「Dream of sand(砂の夢)」と「Pump it up(ペースを上げよ)」は専門家を含む多数の来場者の大きな話題となる。在学中そして卒業後もヴィンセント・デレイクおよびヨーリス・ラールマン・ラボラトリーでインターンシップを行った。現在はオランダのアイントホーフェンにある教会の1つに事務所を設立し、チームで仕事をしている。


撮影:根田拓也

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