米国景気の回復鈍化懸念から売り先行、底堅さを確認して堅調だが上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年06月24日 16時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株は底堅い堅調な展開でしたが、円高となったことや売り先行となり、売り一巡後は値ごろ感からの買いや買戻しも入り堅調となりました。ただ、まだまだ市場参加者も限られ売買高も少なく、目先的な幕間つなぎ銘柄を物色する動きと持高調整の売り買いが中心となって、相場全体の方向感が示されるよな場面は見られませんでした。買いが入って堅調というよりは売りが手控えられて堅調ということのようです。

 サッカーワールドカップもいよいよ決勝トーナメント出場国が決まり始め、日本も今晩(というよりは明早朝)に決勝トーナメント進出をかけた試合があります。今回のワールドカップは「世界ランキング」上位の国が下位の国に負けたりして話題になりましたが、ランキングそのものがリアルタイムでないと言うことも一つの理由でしょう。ワールドカップに出場したということは地域の強弱にもよりますが、少なくともその地区で上位の国が出場しているわけであり、出場が決まった時点で、たとえば世界ランキング100位という実力ではないはずなのです。

 しかも、サッカーはチームで戦うものですから、その対戦相手の性格によって選手も変えなければならず、また、選手のコンディションにも大きく左右されると思います。ですから、「ランキング」そのものが無理がある「尺度」であり、たとえランキング100位だからといって必ずしも「弱い」ということでもないのでしょう。株式投資の世界でも同じで、様々なスクリーニングで「割安」の順位を決めて見ても、必ずしも本当に割安というわけでもなく、割安のまま長い時間が経過することも多いのです。

 最終的には落ち着くところに落ち着くもので「本当の実力」をしっかりと見極めることが株式投資でも必要ではないかと思います。「何となくいいから」とか、「○○だから」と安直に考えるのではなく、あらゆる角度から見直して「本当の実力」に比べて割安なのかどうかを見ていれば、その時々にあったスクリーニングやテーマにのった銘柄を選ぶことが出来ると思います。また、目先の売買をするのであっても、大きな流れをしっかりと見極めておく必要もあるものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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