米国株安や円高を嫌気する動きもあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年06月23日 17時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株安や円高を受けて連日の大幅下落、一昨日の大幅高の分を全て吐き出した格好となりました。特に売り急がなければならない理由も特に見られたわけでもないのですが、欧州の金融不安、米国の景気回復スピードの減速懸念、中国のストの問題やG20での銀行税の問題など、売り急ぐほど切迫したニュースも無い代わりに買わない理由はいくらでも見つかるという状況で、買い気に乏しい中、小口の見切売りに押されるものが多くなりました。

 相変わらず市場参加者も少なく、目先の値動きだけを見ての売買が多いようです。業績や為替動向などに反応しているようでいて、実は、値動きのいいものは買われ、悪いものは売られるというような、目先の需給だけの動きとなっているようです。為替や海外での金融不安などからリスク許容度が決まり、リスクの大きさでの持高調整が行われ、その結果値動きの良い悪いが決まって、上げ下げしているようです。

 2月期決算の5月までの第一四半期の決算で好調な決算が発表されても大幅下落となったり、4−6月期の業績が好調で上方修正を発表しても、反応は鈍く、かろうじて4−6月期の決算が良さそうだと新聞の「観測記事」で報じられると、低位株はしっかりと反応して大幅高となるなど、目先筋が手掛け安い銘柄や値動きの良い小型株の一角だけが堅調というような展開となっています。目先的な値動きについて行く以外には手を出し難く、その結果出来高も少なくなっているということなのでしょう。

 好業績を発表しながらも軟調となっているような銘柄などはいろいろと理由付けがなされてはいますが、株価に先高期待がないと言うことも大きな理由の一つではないかと思います。欧州金融不安なども根強く(本来そう簡単に片付く問題でもないのですが)、いろいろな問題も何一つすっきりと片付いていないので、業績面での直接的な影響というよりは「業績が悪くなるのではないか」という恐怖感だけで売られていると言うことなのだと思います。好業績銘柄の出直りは期待しておいてもいいものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.