住宅関連指標が予想を下回ったことなどから売られ大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年06月23日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10293.52▼148.89

<NASDAQ>2261.80▼27.29

<為替:NY終値>90.58-90.64

銀行税問題などの欧州金融不安に加え、住宅関連指標が予想を下回ったことなどから売られ大幅下落

 スペインの銀行が市場が考えるよりも健全との格付け会社の見方が伝わったことなどから買い先行となりました。ただ、5月の中古住宅販売が予想を下回ったことや週末のG20で銀行税の問題が取りざたされたことを嫌気して売られ軟調となりました。メキシコ湾での原油流出事故に絡んで、米国沿岸の海底油田の掘削解禁をめぐる、司法当局と政府の判断の食い違いなどが嫌気されてエネルギー株が軟調となったことや、銀行税に対する懸念や仏銀大手のギリシャでの損失が取りざたされてユーロやドルが軟調、リスク資産からの逃避の動きもあったようです。

 欧州の金融不安は根強く、ちょっとした銀行の損失などに敏感に反応してしまうようです。また、メキシコ湾の原油流出事故もネガティブな相場の時には必ずといっていいほど悪材料として取り上げられるような感じで実体経済への影響以上に相場の足を引っ張る格好となっています。加えて、住宅関連の指標が芳しくないことで、景気減速とまではいかないまでも回復の鈍化が懸念されるということなのでしょう。今後も好調な決算や経済指標の発表が見られないとますますセンチメントが悪化し、悪材料に敏感に反応してしまうことになりそうです。

 個別には住宅関連指標が予想を下回ったことで、レナーなど住宅関連銘柄が軟調、原油価格の下落や深海油田掘削問題からエクソン・モービルやシェブロンなど石油関連銘柄は軟調となりました。住宅販売のかげりから景気回復の鈍化が懸念されてアルコアやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄も大幅安となるものも見られて総じて軟調、プロクターアンドギャンブルやコカ・コーラなど消費関連銘柄の一角もリスク回避の持高調整から売られました。新型携帯端末の販売が好調なアップルは堅調となりましたが、インテルやIBMなどハイテク銘柄も軟調となり、JPモルガン・チェースなど金融株も信用収縮から売られました。ジョンソン・エンド・ジョンソンやメルクなどディフェンシブ銘柄の一角は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は前日の大幅高の反動や円高、欧州での金融不安を嫌気する動きから売り先行となり、大幅下落となりました。前日買われすぎた分大きく下落となったのでしょうが、前日の上げ幅の半分程度の下落で、底堅いとの見方も出来そうです。外国人も売り越しと伝えられ、為替動向などに関係のないような持高調整の売りも出ていたようで、目先の需給要因で下げた銘柄もあるものと思われます。

 米国市場が大幅下落となったことで、日本市場も再び押し目を確認するような展開となりそうです。為替も再度円高に振れたこともあり、ここまで順調に戻った輸出株なども押し目を確かめるように軟調な展開となりそうです。足元の業績は好調なのですが、為替の先行きなどには懸念が残るということなのだと思います。中国元の切り上げ問題も一服となる可能性も高く、いったんは全般的に手仕舞い売りが嵩み、幕間つなぎ的な値動きの良い銘柄が個別に物色されることになりそうです。

 日経平均10000円水準のところで下げ止まるのかどうかがまずは注目されますが、シカゴ市場(CME)の日経平均先物も9900円台前半(9940円)となっており、10000円を割り込んだところで買戻しなどが見られるのかどうかが注目されます。9800円〜900円水準が節目となっており、その水準を割り込まない限り「ダブルボトム」として底入れ感が強まったものが打ち消されることはないと思われますが、市場参加者が少ないだけに、指数は大きく振らされる場面もありそうです。10000円を割り込んだところで買いが見られなくても9900円水準では底堅さも見られるものと思います。

本日の注目点

◇ジャスダック上場:パピレス(3641)

◇5月の米新築住宅販売件数

◇米FOMC結果発表

◇米5年物国債入札

◇海外3−5月期決算:ナイキ

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