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» 2010年06月22日 08時00分 UPDATE

インタビュー:カーリン・フランケンスタイン「ポスト・フォッシル」

東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて開催中の「ポスト・フォッシル:未来のデザイン発掘」展連動企画、リレーインタビュー。参加作家のカーリン・フランケンスタイン氏に聞く。

[草野恵子,エキサイトイズム]
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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて開催中の「ポスト・フォッシル:未来のデザイン発掘」展。

 会場の真ん中で、ひときわ存在感のあるラグジュアリーなフォルムの椅子と棚が、来場者の注目を集めている。ごつごつとした土を固めたように見えるその作品の名前は、なんと「牛糞の椅子と棚」。作家のカーリン・フランケンスタイン氏に話を聞いた。

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今回の展覧会に出品した作品について、発案から実際の製作までの期間、この素材を選んだ理由を教えてください。

 制作期間は、だいたい3カ月です。でも、その間にほかの作業もしていましたから、ずっとかかりっきりだったというわけではありません。私は、いつもはセラミックを主体に扱っています。でも、セラミックは窯のサイズに左右されてしまいますから、どうしても大きさに制約が出てしまうんですね。それで今回は窯を使わず、土や牛糞を自然硬化させる方法で作っています。

 これは紀元前の建物に着想を得たもの。素材は私の地元で手に入りやすく生物分解性のあるものを使おうと考えました。試行錯誤した結果、紙に土、牛糞、藁、マッシュポテト、チョークなどの素材を混ぜて、仕上げています。一見汚いと思われる素材を使って、対照的にエレガントな、優雅なサロンに置いてあるようなシェイプの家具に仕上げることができたと思います。

21世紀に入って10年が経とうとしています。今後、デザイナー、アーティスト、クリエイターが担うべきこととはどんなことだと思いますか?

 すでにデザイナーたちは、デザインだけではなく素材について考えてアイデアを練っていると思います。最善の道を見つけることを望んでいますし、私自身も見つけて行きたいと思っています。その1つの試みがこの展覧会ということなのではないかと思います。

 ところで、私は日本が大好きで、またぜひ訪れたいと思っているのですが、1つ気になったことがあります。日本は新素材を次々と生み出している進んだ国なのに、なぜか街中にプラスティックが溢れかえっていると感じました。食事をする場所でも、買い物をしても、とにかくプラスティックがたくさん。この点は改善すべきではないかと思いましたよ。

ひとりのクリエイターとして、未来のデザインはどうなると思いますか?

 先ほどの答えとつながっている部分もあるのですが……。私のアイデアは身近にあるチープな素材を使うこと。土や牛糞など自分の身近にあるものを積極的に使ってみる。一方で自然素材を使ったハイテクレベルの技術――例えば、きちんと土に帰る技術など――は追求していく必要があるでしょうね。その両方を大事にして発展していくことが求められているのだと思います。

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Karin Frankenstein(カーリン・フランケンスタイン)

クラフツ&デザイン アーティスト。1982年生まれ。スウェーデンを活動拠点とする。デザインとアートの境界線上に位置する彫刻的オブジェや家具を制作。大学で専攻した陶芸の知識や技術を生かし、日干しレンガや自然素材を用いた古代の建築技術、紙やおがくずといった工業残材からインスピレーションを得て、作品制作を行っている。


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