手掛かり難の中、連日の小動き、方向感のない展開が続く清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年06月18日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 海外動向も経済指標も方向感はなく、手掛かり難の週末というこで方向感のない展開となりました。欧州金融不安が薄れたわけでもないのですが、ある程度のリスクまでは織り込んだということなのでしょうし、米国での景気減速懸念も特に改めて取りざたするような材料でもないということなのだと思います。加えて外国人も売り買いどちらかに偏ることもなく、持高調整の売りも一巡となった感もあり、最後は週末の手仕舞い売りやヘッジ売りに押される場面もありましたが、終始方向感のない展開となりました。

 底入れ感が強まり、売り急ぐ動きもありませんでした。海外動向などでも懸念材料が払拭されたわけでもないのですが、欧州金融不安の広がりも、米国の景気減速懸念も広がりは限定的となり、世界中の市場である程度織り込んだということのようです。日本独自の材料で動くことも少なく、目先の需給に振らされることも多いのですが、外国人も売り買い拮抗、ファンド筋などの決算絡みの手仕舞い売りも一巡、同様に持高調整も一巡となれば、手掛かり難というのも致し方ないということなのでしょう。

 サッカーワールドカップに夢中になっている投資家が多いから売買高が少ないなどという見方もあるようですが、どこにいてもサッカーでも、相場でも見られる時代にあまりそうしたことはないと思います。今回の大会では順当に勝っているところも多いのですが、世界的ランキングで上位のチームが下位のチームに負けるなどということも多く見られます。ただ、実際に試合を見ていると「番狂わせ」というよりもランキングそのものがおかしいのではないかとも思えます。ランキングの仕方によっては順位の変動もあるのでしょうし、そのときのコンディションもありますが、必ずしもランキングが万能ということではないと思います。

 投資の世界でも同様にランキングや格付けが正しいかといえば、もちろんある意味では正しいのでしょうが、必ずしも万能、ということではなく、格付けの仕方によっては格付けが変わることなどがあってもいいはずです。また、割安のランキングなどが出来るわけがなく、業績面でのランキング通りに株価が動くのであれば、株式投資も楽になります。つまり、見方によって、投資の仕方によって価値が変わるということでもあり、また一概にランキングや格付けを信用してもいけないということなのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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