前日までの大幅高の反動やユーロ安を嫌気して手仕舞い売りが嵩み軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年06月17日 16時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9999.40円 ▼67.75円
売買高 15億0266万株
日経平均先物 10010円 ▼80円
売買代金 1兆1408億円
TOPIX 887.48 ▼4.90
値上がり銘柄 531銘柄
東証マザーズ指数 413.32 ▼10.31
値下がり銘柄 983銘柄
日経ジャスダック平均 1270.10円 ▼2.38円
変わらず 156銘柄
騰落レシオ 82.60% ▼5.97%

日経平均

前日までの大幅高の反動やユーロ安を嫌気して手仕舞い売りが嵩み軟調

 米国市場が冴えない展開となったことやユーロが弱含みとなったことに加え、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が小幅ながら売り越しと伝えられたことから売り先行となりました。昨日まで大きく上昇していたことから、利益確定売りなども出やすく単純に利益確定売りに押されるものも多かったものと思います。寄り付きの売りが一巡した後は売り急ぐ動きもなく買戻しを交えながら売り直す動きもあって方向感はなく、10000円を意識する水準で方向感のない展開となりました。

 後場に入るとユーロ安が進む場面もあり、売りが嵩んで10000円を割り込む場面もありました。ただ、上値の重さや戻りの鈍さを確認しても売り急ぐ動きはなく、あくまでも戻り相場での利益確定売りというような展開で底堅さは続きました。ハイテク銘柄だから売られる、などということもなく、同じ業種でもまちまちとなるものが多く、また前場堅調であったものが後場に軟調となるなど目先筋を中心とした売り買いの中での単純に需給要因だけで上げ下げしていたような感じです。

 小型銘柄も手仕舞い売りに押されて軟調となるものが多く見られました。東証マザーズ指数は大幅安となり、日経ジャスダック平均は戻りが鈍かった分下げ幅も小さいという感じでした。先物も散発的にまとまった売り買いは見られましたが、方向感を持っての売り買いというよりは目先の小掬い商いという格好で終始方向感を出すようなまとまった動きは見られませんでした。

 最後は10000円を割り込んでしまいましたが、大騒ぎをするほどのことはないと思います。総じて見てもディフェンシブ銘柄の一角が出遅れ買われている以外は大きく下押すこともなく、手仕舞い売り、利益確定売りに押された格好です。10000円台を固める動きも期待されましたが、10000円水準での底堅さを確認するに止まった格好です。引き続き欧州金融不安などに振らされる場面もあるのかもしれませんが。9800円〜900円水準では底堅いものと思います。逆に信用収縮懸念が薄れれば、底入れ感も強いことから、業績面からの見直し買いも入って10500円〜600円水準を目指すことになりそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 下落している基準線にサポートされはしたものの冴えない展開となりました。「ダブルボトム」確認となったことで、底堅さも見られるのでしょうが、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示唆しており、RSIも上値余地がありながらも反転の兆しが見られ、いったんは9800円〜900円の節目水準での底堅さを確認することになるかもしれません。10000円水準で底堅さが見られても上値が重く日柄の整理となりそうです。

TOPIX

NYダウ

 基準線を抜け切れずに上値を押さえられています。ストキャスティックスはわずかですが上値余地もあり、上昇が続いており、もう一段、基準線を抜けるまで強含みとなる可能性もありますが、RSIは上値余地がありながらも反転の兆しが見られ、このまま基準線に上値を押さえられて押し目を確かめるような展開になる可能性もありそうです。

円相場

NYダウ

 遅行線は日々線に絡む動きにはなりませんでしたが、雲のねじれ、転換線、基準線と日々線が同水準にあり、かなり煮詰まっている感じです。RSIは中途半端な位置にあって方向感はなく、ストキャスティックスは下落が続いて低い水準ながらも下値余地もある状況であり、引き続き薄い雲を挟んで小動きとなるものと思います。

銘柄ピックアップ

方向感無くまちまちの展開

三井物(8031) 1165 △25

 海外市場で原油価格が堅調なことや売られすぎの反動から堅調となりました。メキシコ湾の原油流出事故の影響も少ないと見られていることも買い戻しを急がせたものと思います。

エルピーダ(6665) 1738 ▼50

 6営業日ぶりに反落となりました。パソコン用DRAMの大口需要家向け価格に天井感が強まっていると新聞で報道されたこともあり、利益確定売りが嵩みました。

双  日(2768) 152 ±0

 権益を保有している米国の新型ガス田で砂岩に浸透した天然ガス「タイトサンドガス」を8月にも増産すると発表したことが好感され、手掛かり難の中で分かりやすい材料ということもあり、目先筋の買いが入り底堅い堅調な展開となりました。

菱製鋼(5632) 202 △24

 2011年3月期はバネ事業と特殊鋼鋼材j行の営業損益がともに黒字転換すると新聞で報じられ、業績回復を好感する買いが入り大幅高となりました。

川 重(7012) 241 ▼15

 二輪車事業の改善が思わしくなく、過剰在庫の削減も芳しくないと言うことで、外資系証券が投資判断を引き下げたことなどが嫌気されて売られ、大幅安となりました。

SUMCO(3436) 1838 ▼38

 半導体需要が好調なことから、材料となるシリコンウエハーの需給は逼迫するとして、国内証券が投資判断と目標株価を引き上げましたが、前日までの上昇の反動から利益確定売りに押されて軟調となりました。

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