コラム
» 2010年06月17日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:旬の高知へ、龍馬の高知へ――言葉と食の旅をしませんか (1/3)

「食事はただ空腹を満たすためにするのではない」と主張する筆者。坂本龍馬の故郷、高知県の食材をふんだんに使った料理を口にして、維新の土佐に思いをはせた。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba」。Twitterアカウントは@Yoshifumi_Go


 私たちは何のためにレストランに行くのだろうか?

 食べる、飲む――それはもちろんだが、ほかにも理由はある。メニューから料理を想像し、素材に思いをはせ、皿の上の表現された技と創造に驚き、身体にごほうびをあげる。相方と語り合い、笑ってくつろぐ。飲食のひと時とは、五感を刺激し、生命に感謝をする場なのだ。

 そんなひと時を南国土佐、高知県の旅メニューを味わって感じた。太平洋をのぞみ、山間の清流と温暖な気候を利を活用して、海産物や農作物を育む高知。旅するシェフがその食材を選りすぐり、フレンチの技を存分に発揮。そして、その土佐を“高知”にする礎をつくったのが幕末の志士、坂本龍馬である。今年旬の彼の言葉と、旬な食の一夜の体験を“Buzz※する”のが今回のテーマだ。

※Buzz……いいなと思ったことをクチコミすること

高知への食と書の旅へ

 その夜、私と相棒cherryさんは、東京駅前の丸ビル5階にある「Brasserie & Wine cafe Buzz」に入った。手には特急乗車券そっくりの“試食会チケット”。なぜならこのブラッスリー(仏語でレストラン)は、各地の食材の旅体験がコンセプト。ブラッスリーの入口には高知のトマトや小夏、ウリやししとう、ショウガやにんにくなど、6月7日から始まった高知県の旅メニューの“旬産食材”がいっぱい飾ってあった(8月末まで)。

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 ダイニングスペースに通されて着座。試食メニューを広げると、「土佐はちきん地鶏」「トマトのガスパチョ」「日戻り鰹」……といったラインアップに期待がふくらんでふくらんで。

 「まだかなあ、料理」とそわそわする私をcherryさんがぴしゃり。「郷さん、奥に書があります」

 振り向けば、言葉あり。「日本を今一度せんたく致し申し候」

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 文久3年(1863年)6月29日、時に龍馬29歳、姉乙女への手紙からの言葉。外国の軍艦が長州を砲撃した後、幕府が内通し、その軍艦修理に力を貸した役人に龍馬が憤慨した。せんたくとは“洗濯”。「この国は洗わないとダメだ」と。だからこそ、この書では日本の“日”はまるで太陽のようにも見える。“今”は跳ねて動き出しそう。“せんたく”の節々に意思が宿り、“候”にも断固たる姿勢がある。

 BUZZでは高知旬産メニューに合わせて、NHKドラマ『龍馬伝』の題字を書いた書家、紫舟さんによる作品7点を見られる『龍馬のことば』特別展が開かれる(6月18日〜7月18日)。その志と行動を受けとめた紫舟さんの手で、希有の高知人の言葉が生き返った。「日本をあたらしゅうしようか」、そんな龍馬の声が聞こえてきそうだ。

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