コラム
» 2010年06月16日 08時00分 UPDATE

“事業仕分け”からベストな取引のあり方を考える (1/2)

事業仕分けで使われた手法には、企業で用いられている支出管理、コスト削減、経費削減と重なるものがあると主張する筆者。そこで、先月行われた事業仕分けの内容をケーススタディとして、支出を管理する手法について考察する。

[中ノ森清訓,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:中ノ森清訓(なかのもり・きよのり)

株式会社戦略調達社長。コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供している。


 「最善の事業主体を選ぶ」と言うことは簡単ですが、やるべきことは非常にたくさんあります。

 仕分け人は支出管理の専門家ではないので、具体的にそれを実現するための提案というのはあまりしていませんが、事業仕分けでは大きく分けると最善の事業主体を選ぶにあたり、「1.国、都道府県、市町村、独立行政法人や政府系の公益法人や民間への委託などあまたある事業主体の中で、最適な事業主体を考える」、「2.競争的に事業主体を選定する」という2つの指摘が多くされています。今回は、これらの2つのポイントについて見ていきます。

最適な事業主体を考える

 先月の事業仕分けで対象となったものに、社団法人雪センターの効率的な冬期路面管理手法に関する検討業務や防雪施設等の整備方法や、既存施設の点検・評価に関する検討業務があります。

 これらは、国が管理する直轄国道の除雪、路面管理、雪崩や吹きだまりなどの防雪施設等の効率的・効果的な方法、整備方法などを検討・検証するというものです。これまでは、雪センターが国から委託を受け、データの計測や整理、分析や新技術の適用方策の検討などについては、さらに外部に委託しながら実施しています。

 これに対して仕分け人の判定は、「国土交通省の出先機関である各地の地方整備局の現場技術者の仕事」「『雪に関する総合的調査』を日本橋のオフィスで行えるとは信じがたい」「全国で蓄積された知見の活用や、現場間ならびに同種の検討を行なっている地方自治体との連携は必要だが、センターの存在意義はない」といったものでした。調査の意義は認めているのですが、「雪センターの業務は現場改善であり、現場改善は中央が外部に委託して行うのではなく、現場でないとできない」という判断です。

 企業で言えば、物流やITなどの機能子会社を作ったものの、結局は業務改善・企画機能は現場で持たざるを得ず、機能子会社は本社の企画部門と外部専門企業との間の取り次ぎに過ぎなくなっているといったところでしょうか。

 現在は、こうした機能子会社を各企業が抱えることについて疑義が生じ、物流やIT、人事関連などの機能子会社の外部専門企業への売却が進行しています。雪センターもこうした取り次ぎだけの機能子会社と同じと判定されたようです。

 現場改善は現場で行うものです。業務の企画・マネジメントはその業務の担い手が行なうべきものです。各現場での連携、ナレッジの共有は、現場間の改善成果の共有会やナレッジマネジメントを工夫することでできることが多々あります。コア・コンピタンスでないものや専門的な技術が必要とされるものについては、外部を活用すべきですが、その際には価値のない中間業者を排除するのは当然です。

 あらゆる活動・事業において、それは内作・外作、社内・外部への業務委託のいずれで行うべきか、内部で行うのなら、中央で行うべきか現場で行うべきかの検討があらゆる活動・事業を成功させる上で不可欠です。

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