売られ過ぎの修正もあって値持ちの良い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年06月14日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9879.85円 △174.60円
売買高 14億7106万株
日経平均先物 9880円 △170円
売買代金 9942億円
TOPIX 878.56 △12.12
値上がり銘柄 1345銘柄
東証マザーズ指数 424.74 △4.53
値下がり銘柄 211銘柄
日経ジャスダック平均 1265.08円 △8.17円
変わらず 115銘柄
騰落レシオ 81.48% △0.28%

日経平均

週末の米国株高や円安を好感して買い先行となり、売られ過ぎの修正もあって値持ちの良い展開

 週末の米国市場が堅調、特にナスダック指数が大幅高となったことや円安となったことから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後も堅調、ユーロが一段と堅調となる場面もあり、値持ちの良い展開となりました。週末に金融不安を煽るようなニュースもなかったことで、信用収縮懸念からの売りも一巡となり、指数を下押す動きも限定的となったものと思います。

 後場に入っても大幅高が続きましたが、為替も動きはなく、方向感のない展開となりました。4月の鉱工業生産指数の確報も発表されましたが、特に材料視もされず、目先筋の利益確定売りを急ぐ動きも、買戻しを急ぐ動きもなく指数は小動きとなりました。信用収縮懸念は薄れ、持高調整の売りも一巡感が強まったのでしょうが、売られ過ぎの修正や業績面から割安感がある銘柄は買われるものの先行きへの警戒感は依然根強く、最後まで買い切れないと言うことなのでしょう。

 小型銘柄も堅調となるものが多かったのですが、主力銘柄が物色される中で買いも限定的となり堅調とはなったものの上値も限定的となりました。東証マザーズ指数は最後に大幅高となりましたが、日経ジャスダック平均は堅調となりました。先物もまとまった売り買いは少なく、ほとんど方向感はありませんでした。朝方こそまとまった買戻しも見られ、指数を押し上げたのですがその後は30円〜40円の値幅で小動きとなりました。

 最近にしては珍しく金融不安を煽るようなニュースの無かった週末ということもあり、素直に米国株高や円安を好感する動きとなりましたが、大幅高となった割りには盛り上がりに欠ける展開となりました。9800円〜900円水準の節目を確かめるような動きで、9800円台では引けたことで、ここから底堅さが見られるのかどうかというところです。まだ、10000円を意識するところでは上値も重くなって来る可能性もあり、一気に上値を追うというよりは9800円〜900円水準での底堅さを確認する動きとなるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 9800円の節目は抜けましたが、6月4日の高値を抜け切れず、「ダブルボトム」確認とは行きませんでしたが、RSIもストキャスティックスも上昇が続き戻りを試す動きが続くものと見ても良いと思います。基準線の水準が心理的な節目でもあり、5月20日から21日にかけて空けた大きな窓を埋める水準でもあり、10000円につっかけるような場面は見られるのかもしれません。その前に9800円水準での底堅さを確認するような場面もあるのかもしれませんが、底堅さは見られそうです。

TOPIX

NYダウ

 転換線を抜けて来ましたが日経平均ほどの戻りにはなっていません。RSIもストキャスティックスも上昇が続いて上値余地も大きく、まだ戻りを試す動きは続くものと思われます。6月4日の高値を抜ける水準、=基準線水準までの戻りは期待できるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 雲のねじれの日柄に到達、方向感のない展開が続いています。ここから上下どちらに向かうのかというところですが、RSIは上値余地はあるものの、方向感はなく、ストキャスティックスは高値圏からの調整となっており、少なくとも上値は重そうです。遅行線が日々線に押さえられて、いったん下値を確認に行くのか、「線」となってしまった雲に絡みながら方向感のない展開となるものと思います。

銘柄ピックアップ

米国株高や円安を受けて大幅高だが持ち上がりに欠ける展開

東エレク(8035) 5630 △70

 週末の米国市場で世界の半導体売上見通しが引き上げられたことを受けて半導体関連株が堅調となったことを受けて同社など半導体関連銘柄が高くなりました。円安を好感した動きもあったものと思います。

メルシャン(2536) 157 ▼16

 先週末の引け後に調査を進めている「不適切取引」で多額の損失が見込まれると発表、内部統制に対する懸念などが強まり、売りが嵩み大幅下落となりました。

NEC(6701) 248 △5

 小惑星探査機が7年間の探査を終えて地球に帰還、NECが開発したイオンエンジンが評価され、採用が広がっていることが好感されて買われ堅調となりました。

ドン・キホーテ(7532) 2445 ▼21

 先週末に自己株式を海外で売り出すと発表、需給悪化懸念から売りが先行、軟調となりました。好調な業績を受けて堅調な株価推移となっていただけに利益確定売りを急ぐ動きも出たものと思います。

ドーム(9681) 245 △10

 先週末の引け後に2010年2−4月期の連結最終損益が黒字になったと発表、業績改善を素直に好感する動きとなり、大幅高となりました。株価が安値圏にあったことで改めて買い直す動きとなったものと思います。

JUKI(6440) 205 △14

 電子部品実装機にコンデンサーなどの部品を供給する「電動フィーダー」の海外生産に乗り出すと新聞で報じられ、日本で生産するよりもコスト削減につながり、採算の向上が期待されるとして好感した買いが入り大幅高となりました。

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