経済指標はまちまちだが、週末の買戻しも入り堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年06月14日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10211.07△38.54

<NASDAQ>2243.60△24.89

<為替:NY終値>91.65-91.71

経済指標はまちまちだが、週末の買戻しも入り堅調

 朝方発表になった小売売上高が予想に反して減少したことや前日の大幅高の反動から軟調な展開となりました。ただ、消費者態度指数(ミシガン大学調べ、速報値)が予想を上回ったこともあり、底堅さも見られました。前日に世界の半導体売上高見通しが引き上げられたことから、半導体株を中心にハイテク銘柄が買われ、医薬品株が投資判断を引き上げられたこともあり、総じて堅調となりました。欧州金融不安や金融規制強化の動きも一段落となったことから、週末の買い戻しも入ったものと思われます。

 金融不安が薄れたことで、素直に景気の回復を織り込む動きになったものと思います。先行きに疑心暗鬼になっていた向きも売り込み難く、下値を確認した買戻しも入っていたようです。先行きに対する懸念が完全に払拭されたわけでもないのでしょうが、「デカップリング(非連動)」となる可能性も高いことで、まだまだ買い直す動きも出てくるものと思います。

 個別には前日に米国半導体工業会(SIA)が世界の半導体売り上げ見通しを引き上げたことが好感されてインテルやIBM、マイクロソフトなど半導体株が高く、景気後退懸念が薄れたことで、キャタピラーなど景気敏感株も高くなりました。ただ、GE(ゼネラル・エレクトリック)など一部の銘柄は週末の手仕舞い売りに押されて軟調となるものも見られました。金融株も底堅い堅調なものが多かったのですが、JPモルガン・チェースやシティグループは手仕舞い売りに押されて軟調、バンク・オブ・アメリカやアメリカン・エキスプレスなどは堅調となるなどまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株が大幅高となったことやユーロが高く円安に振れたことなどを好感して買い先行となりました。SQ(特別清算指数)に絡む売り買いもありましたが、買い気配から始まるものが多くみられるなど大幅高で始まりその後も値持ちの良い展開で大幅高となりました。ただ、週末ということで積極的に買い上がる動きも見られず上値も限定的となりましたが、これまで売られていたハイテク銘柄などの戻りが見られ、指数を大きく押し上げたものと思います。

 週末の米国市場が堅調となったことから日本市場も買い先行となりそうです。ただ、週末に大幅高となったことの反動や目先筋の利益確定売りも多いものと思われ、上値も限定的となるかもしれません。足元の業績に加え、先行き見通しも明るそうな半導体などを中心としたハイテク銘柄が為替の落ち着きもあって物色されるのではないかと思われ、商品市況も落ち着いて来たことから、商社株なども売られすぎの反動もあり、堅調となって来るのではないかと思います。

 日経平均は9800円〜900円の上値の節目を目指すことになりそうです。9800円台でしっかりと下値を固める動きになれば、次は10000円、10500円から600円の節目を目指すことになるのでしょうが、為替が円高に振れるようなことになればまだ9500円〜600円の下値の節目を固める展開が続くのかもしれません。9800円〜900円水準を抜けてくれば「ダブルボトム」の形で底入れとなった可能性が高まるのでしょうが、ここからが一つの正念場ということになりそうです。

本日の注目点

◇4−6月期の法人企業景気予測調査(内閣府財務省)

◇4月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇日銀政策委金融政策決定会合(15日まで)

◇ブラードセントルイス連銀総裁が都内で講演

◇中国の上海深セン株式市場が端午の節句の祝日で休場(16日まで)

◇4月のユーロ圏鉱工業生産

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