男と女、どっちが社会で有利だと思いますか?ちきりんの“社会派”で行こう!(2/3 ページ)

» 2010年06月14日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

責任を背負わされる男性

 家庭内でもまだ、「大きな決断はお父さんが」という雰囲気があるように感じます。日常的なことなら妻が1人で決めるけど、大きな買い物や判断は「あなた決めて」と言う。これって一見、「頼っている」「大事なことは男性が主導権を持っている」とも言えますが、反対に言えば「大きな責任はすべて男性が背負う」ということでもあります。

 例えば不動産を買う時の会話では、「私はこっちのマンションがいいと思うけど、あなたはどう思う?」「そうだね、こっちでいいんじゃないかな」「真面目に考えてよ。大事なことなんだから。あなたはどう思うの?」「このマンションでいいと思うよ」「そう?(にっこり) じゃあ、そうしましょう」と。

 意図的とは言いませんが、「実質的には女性が決めているのに、何かあった時には男性に責任転嫁できるようになっている」とは言えないでしょうか。女性は、大きな判断に伴う深刻な責任からはいつでも逃げられるよう、無意識にコトを運ぶことが多いようにも思います。

 欧米では、「男性がドアをあけてくれる」「レストランで良い席に女性を座らせる」などレディファーストが根付いているといわれます。確かに欧米に数年いて、日本に帰ってくると、男性の気の付き方の鈍さに唖然とします。

 けれど、欧米の男性はドアは開けてくれますが、大事なことでは女性を簡単に甘えさせたりはしないです。若いころ、欧米人のボーイフレンドとつまらないことで喧嘩して泣いた時、相手が「悪いけど、僕は泣いている女性とは話さないことにしているんだ」と言って、さっさと帰ってしまったのには驚きました。こういう態度を「泣いている若い女性」にできる人というのは、日本では、自分の経験だけでなく友人の話としても聞いたことがありません。

 しかし、その衝撃で、ちきりんはすぐに泣きやみました。そして気が付いたのです、「悲しくて涙が出ていたわけじゃないんだな」と。もちろん意識して嘘泣きをしていたわけではありませんが、「泣けば何とかなる」ということを経験的に潜在的に学んでしまっている若い女性はたくさんいると思います。

 別の話ですが、友人の米国人男性は日本人女性と結婚した後、「小さな子どももいるのに、彼女は自分の生活費も稼ぐ気がないんだ」と愚痴を言っていました。女性の方は、まさかそんなことを夫が考えるとは想像もしていなかったと思います。

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