W杯は大丈夫!? 元駐在員が教える南アフリカの治安状況(2/3 ページ)

» 2010年06月11日 08時00分 公開
[三宅信一郎,INSIGHT NOW!]
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注意3:赤信号で止まるな

 よく現地の白人からこう言われました。

 「夜は、たとえ赤信号でも交差点で停車してはいけない。クルマが来ない場合は無視して進むことだ」

 この理由は、交差点の草むらやビルの陰に隠れた賊が、赤信号で止まったクルマをターゲットに強盗や殺人を働くという事件が多発しているからなのです。ある駐在員仲間が赤信号で止まっていたら、突然助手席の窓ガラスが拳銃で粉々に割られ、割られたと思ったら、黒い手が伸びてきて助手席のシートにおいてあった財布入りのカバンと携帯電話をあっという間に持って行かれたという事件もありました。

注意4:街中は歩くな

 筆者は駐在期間中、一度も街を歩いたことがありません。ほとんどの駐在員もそうです。 

 なぜか?

 南アフリカは米国以上に銃社会です。 簡単な講習を受ければ誰でも銃を所持することができます。スーパーで1〜2万円も出せば、いい拳銃をすぐ買うことができます。

 銃を所持した強盗が街中をうろつきまわっている確率がとても高く、特に日本人はお金を持っていると思われているので、昼間であろうと、街中をのんきにスーツ姿なんかでぶらぶら歩いていると、あっというまにホールドアップに遭ってしまう危険性がとても高くなります。

 当時、筆者の会社の日本人駐在員は10数人いましたが、そのうち2人は護身用に自宅に銃を保管していました。筆者の白人女性秘書も、恋人が駐車場で強盗に会って、右足太ももを銃で撃たれ、重傷を負うという現場に遭遇してから、旅行に行く時は小さな拳銃をカバンに入れていくと言っていました。

 驚いたのは、街中の普通のファミリーレストランで、5〜6人の普通の白人家族が食事をしていたのですが、お父さんと思われる男性のジーパンのお尻のポケットから拳銃の柄の部分が少しだけのぞいていたのを見たことでした。

 移動は徒歩のような「線」で動くのではなく、必ずクルマで「点」と「点」を結ぶ形をとって移動してください。歩きたければ、ショッピングモールの中か、ゴルフ場だけにしたほうが身のためですよ。

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