米国株安にもかかわらず持高調整の売り一巡から買戻しも入り大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年06月10日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9542.65円 △103.52円
売買高 16億8525万株
日経平均先物 9530円 △50円
売買代金 1兆1902億円
TOPIX 856.79 △6.42
値上がり銘柄 967銘柄
東証マザーズ指数 417.31 △6.66
値下がり銘柄 542銘柄
日経ジャスダック平均 1250.59円 △4.65円
変わらず 163銘柄
騰落レシオ 71.86% △6.43%

日経平均

米国株安にもかかわらず持高調整の売り一巡から買戻しも入り大幅高

 米国市場は軟調となりましたが、為替が落ち着いていることや昨日の下落の反動もあり、買い先行となりました。売られすぎ銘柄の修正などもあり、また、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も株数は売り越しながらも金額は買い越しと伝えられたこともあり、堅調な展開とまりました。寄り付きの買いが一巡した後は明日のSQ(特別清算指数)算出への思惑などもあって、昨日同様に先物主導で売られる場面もありましたが、持高調整の売りが一巡となった感じで売り急ぐような動きはなく、堅調な地合いとなりました。

 後場も特に材料の無い中で目先の需給に振らされながらも堅調な地合いが続きました。為替も動きはなく、何がどう買われたということでもないのですが、売り一巡感からの買戻しなども見られたようで買い上がる動きは限定され、小動きながらも堅調な地合いが続きました。最後はSQに絡む思惑で先物のまとまった売り買いが交錯しながらも買戻しを急ぐ動きが郵政となり、結局は手仕舞いの買戻しや先物のヘッジの買いもあって高値圏での引けとなりました。

 小型銘柄も堅調なものが多いのですが、売買高も少なく、買いが多いというよりは売りが少ないというような展開でした。東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は最終売買日ということで、乗り換えの動きや手仕舞いの売り買いが中心となり、昨日のように相場を方向付けるような動きはなく持高調整の売り買いが中心となっていたのですが、後場に入ってからはSQへの思惑もあり、買戻しやヘッジ買いも入って指数を押し上げる要因となりました。

 大幅高とはなりましたが、SQや週末の指標の発表などを控えて積極的に買い上がる動きもなく、売り急ぐ動きなかったことで指数が上昇した感じです。相変わらず目先の需給に振らされていることには変わりないのですがますます市場参加者が少なくなっているようです。SQが終わり、中国などの経済指標に反応しながら先行きへの懸念が薄れれば値ごろ感からの買いや売られすぎの修正もあるものと思われ、加えて持高調整の売りが一段落となれば、しっかりと戻りを試す動きとなるのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 昨日が下ひげとなり、本日が陽線となったことで5月安値との「毛抜き底(ダブルボトム)」となった可能性もありそうです。ただ、RSIもストキャスティックスも落ち着かない動きであり、明日も堅調となるようであれば、底入れ感が強まるのでしょう。ただ、転換線を抜けて転換線のサポートを確認するような展開にならなければ、底入れ感も出てこないのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 底値固めという感じです。ストキャスティックスは底値圏にあり、反発となりそうですが、RSIが底値圏からの上昇が続いていると見るのかもう一度下値を試すのか方向感に乏しい展開であり、ここからもう一段上昇となると戻りを試す動きが続くと見てもいいものと思われ、戻りの鈍さが見られると売り直される場面もありそうです。

円相場

NYダウ

 雲の上限下限、基準線に転換線、日々線までもが集中しており、ここから動きが出てくるものと思います。RSIは方向感はなく、ストキャスティックスは下落が続いており、遅行線が日々線に押されるようにいったん下値を試す動きもあるのかもしれません。ただ、煮詰まっているだけに上に放れる兆しが見られると一気に買われることになるのでしょう。

銘柄ピックアップ

盛り上がりには欠けるのだが指数は大幅高

三井物(8031) 1099 ▼67

 大幅下落となりました。米メキシコ湾で起きた原油流出事故の解決の目処が立っていないことなどから売りが止まらず、4日続落で昨年7月15日以来の安値となりました。

島精機(6222) 2246 △124

 朝方から買い先行、大幅高となりました。中国での賃上げが問題となるなか、編み機の大手として省力化が推進される際にメリットがあるとの思惑で買われました。

ニトリ(9843) 7800 △330

 大量出店に乗り出すと新聞で報じられ、収益拡大期待から買われ、大幅高となりました。外資系証券が投資評価の買い評価の確度が高い銘柄リストに採用したことも好感されました。

ブラザー(6448) 995 △3

 中国の2工場で従業員によるストライキが発生し操業が停止していると新聞で報じられたことから、生産の遅れを懸念する売りに押されて軟調となりましたが目先筋の買い戻しも入り、最後は堅調となりました。

ニチレイ(2871) 355 △13

 2012年3月期からの2年間で発行済み株式の5%相当を自社株買いに充てる計画と新聞で報じられたことが好感されて買われ、大幅高となりました。

ヤマダ電(9831) 5740 ▼370

 来期のテレビ需要減少が懸念されることから、投資判断と目標株価を引き下げたことが嫌気されて売られ、大幅安となりました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.