コラム
» 2010年06月09日 08時00分 UPDATE

ギャラ3割カット!? 広告出演する有名人に大切なこととは (1/2)

不況の影響をもろに受け、企業の広告費はなかなか回復の兆しが見えない。そんな状況下において、これから「CMに出演したい」と考える有名人が行うべきこととは……?

[小野寺洋,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:小野寺洋(おのでら・ひろし)

1973年佐賀県生まれ、佐賀大学理工学部卒。大学卒業後、出版社に入社。2005年から株式会社JIMOSで自社通販ノウハウを元にしたダイレクトマーケティング支援事業を行う。


 昨今の経済環境の中で、タレントの出演するCMが激減。またタレントのギャラも暴落しているようだ。

 今年2月に『週刊現代』に掲載された記事では、民放各局がタレントの番組出演料を3割以上も削減と報じている。また、CMの出演料も削減され、特に大物芸能人ほど下落幅が大きいという。推定でも、仲間由紀恵さんや長澤まさみさんはCM出演料が約2000万円下落、松嶋菜々子さんはかつての半額とのこと。男性タレントでも、明石家さんまさんや妻夫木聡さんなどが軒並み3割以上のダウンらしい。

なぜ企業はタレント起用を避けるのか

 不況の影響で、大手企業でも、昔と同等にCMを打つだけの十分な資金体力が無く、高額なギャラが発生する大物タレントの起用を避け、子どもや動物を使うといった傾向にある。

 昨今の経済状況の中で、ROI(=Return on Investment/投資利益率。投資額とそれが生む利益との比率)を重点指標とする経営や広告が広く浸透するにつれ、企業の広告は、より費用に見合う「効果」を期待されるようになっている。逆に言えば、タレントのギャラの下落は、その「効果」を果たすに至らないという結論に過ぎないのだ。

 売れるかどうか分からない、ギャンブル的な投資は控えられ、効率のよい投資が求められる今日の状況では、「売り上げ向上につながる」タレントやCMが強く求められている。

広告に出演するタレントの責任とは

 広告をプロデュースする立場から言えば、2009年末に起こった薬物使用によるのりピーの逮捕で、最も被害を被ったのは、彼女をCMで起用したスポンサー企業だと思う。

 頭痛薬「ノーシン」でおなじみのアクラスは、酒井法子さんを起用したCMを1997年から続けてきた。決してテレビCMが多かったわけではないが、ブランドイメージの醸成に、少しずつ、じっくり、実に10年以上の歳月をかけてきたのだ。

 そんなCMに出演していた彼女が、まさに「白い薬」で逮捕された事件は、白い頭痛薬を販売するアクラスにとっては、本当に大きな痛手だったはず。薬が“頭痛の種”になってしまうとは何とも皮肉な話である。

 逮捕後、「CM契約社にはCMの違約金が支払われる」との報道もあったが、これは単に違約金を払えばよいという類の話ではない。違約金以上の大きなダメージが、企業には重くのしかかってくるのだ。

 酒井法子さんだけでなく、覚醒剤で逮捕されたタレントは、その後「製薬会社」のCMに復帰することは、常識的に考えてまずない。立場を変えてみれば、これはタレントが自分で自分の可能性を狭めていることにほかならないのである。

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