強弱まちまちの雇用指標など経済指標の方向感も見えず上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年06月04日 07時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10255.28△5.74

<NASDAQ>2303.03△21.96

<為替:NY終値>92.68-92.74

強弱まちまちの雇用指標など経済指標の方向感も見えず上値の重い展開

 注目される経済指標の発表も多かったのですが、新規失業保険申請件数は予想以上に強く、民間調査の雇用レポートは予想よりも弱く、主要小売り各社が発表した5月の既存店売上高もまちまちとなるなど強弱感が対立、方向感の掴みにくい展開となりました。加えて、4月の製造業受注が予想に届かず、5月のISM(サプライマネジメント協会)非製造業景況感指数はほぼ予想通り、という状況で、前日の大幅高の反動もあって軟調となる場面もあり、ドルは堅調でしたがユーロも不安定な動きということで、ダウ平均は最後まで方向感のない展開となりました。

 ナスダック指数は景気回復を確認するという格好で堅調となりましたが、週末の雇用統計の発表を見たいという向きも多いようです。ただ、景況感の悪化や減速が鮮明になっているわけでもなく、個別企業の足元の業績は好調ということで、底割れ懸念もなく押し目ではしっかりと買いも入るようです。信用収縮から投機的な動きが抑制されて商品相場などが落ち着いており、インフレに対する懸念も弱いことから、週末の雇用統計で景気回復が確認されれば戻りを試す展開となって来るものと思います。

 個別には景気は順調に回復傾向にあるとの見方もあって、ハイテク銘柄が高く、デルが株式の非公開化を検討していると伝わって大幅高となり、シスコシステムズやマイクロソフト、グーグルなどは堅調となりました。小売り各社は売上動向で高安まちまちとなりましたが、メーシーズやターゲットなど売上高が予想を上回ったところは堅調となり、予想を下回ったノードストロームやコストコ・ホールセールが軟調、と素直な反応となっていました。金融株はJPモルガン・チェースなど軟調なものが多くなりました。石油株は原油価格は堅調でしたがまちまちとなり、エクソン・モービルは堅調、シェブロンは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円安を好感して買い先行となり、大幅高となりました。売買高は今一つ盛り上がらなかったのですが、売られすぎの修正もあり主力銘柄を中心にほぼ全面高となり、指数も節目と見られた9800円、9900円といった水準を抜けても値持ちが良く、高値圏での引けとなりました。欧州金融不安も一段落となり、信用収縮=リスク許容度の低下からの持高調整の売りが一服となったことで、買戻しが入り大きな上昇となりました。

 米国市場は方向感が掴み難かったのですがナスダック指数が堅調となったことや為替も比較的落ち着いた動きとなっていることから、底堅い堅調な展開が期待されます。米国で主要な経済発表を控え、G20を控えた週末ということ、また信用収縮懸念も根強いことから、積極的に上値を買い上がるということもないのでしょうが、売られすぎ銘柄の修正高は続くものと思われ、商品相場の落ち着きなどもあって、商社株やハイテク銘柄などは底堅い堅調な展開が続くものと思います。

 一気に9800円水準を抜けてきたことで、今度は9800円〜9900円水準での底堅さを確認して10000円水準までの戻りを試すことになりそうです。10000円水準まで戻る、あるいは意識するような水準では上値も重くなり、いったん9800円水準での底堅さを確認するような場面もあるのかもしれませんが、為替が円安に振れるようであれば、10000円水準に突っかけて強含みの動きが続く可能性もありそうです。

本日の注目点

◇5月の車名別新車販売台数(自販連)

◇5月の車名別軽自動車販売台数(全軽自協)

◇5月の米雇用統計

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