1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。
著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi
ここ数回、ゴーストライターについて書いた。その間、主要出版社の編集長ら役職者15〜20人前後から、次のような質問をいただいた。
それは「ビジネス書の中に書かれてあるコンテンツは、“著者のもの”と言い切ることができるのかどうか」というもの。この場合のコンテンツとは、その「著者」のノウハウなどを意味する。
ビジネス書のノウハウと聞くと、例えば「ビジネス文書の書き方」や「報告・連絡・相談の仕方」などが思いつくだろう。管理職や経営者層は「チームビルディング」、つまり、チームをどのように作り、引っ張るかということをテーマにしたビジネス書を思い出すのかもしれない。
編集長たちの質問は、いまのビジネス書のあり方を痛烈に批判したものであり、意味が深い。自身のキャリアは20年前後なのでベテランと自負しているが、問いに答えるのは難しかった。まず、私の考えはこうである。
「コンテンツは、“著者のもの”と言い切ることができない場合が多々ある。だからこそ、関係者の役割分担と権限の責任の明確化をしないと、大きな問題になる」
その理由として、以下を挙げた。
(1)本を作る最初の段階である「章立て」の時点で、すでに実際の執筆者であるライターや編集者の意向(考え、思惑)が入り過ぎている。
(2)取材のときに「著者」が何をどう答えていいのかよく分かっていない。特に「どう答えるか」のところが致命的。ほとんどの人がまったく理解していない。
(3)読者が求めているものについて、「著者」とライターと編集者の三者で合意がない。
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