コラム
» 2010年06月02日 15時08分 UPDATE

神尾寿の時事日想・特別編:どこまで拡大するのか iPadの経済効果 (1/5)

5月28日に発売された、Appleのタブレット型モバイル端末「iPad」。テレビや新聞がこぞって取り上げたので、その姿を知らないという人はいないだろう。全世界の販売台数が200万台を突破したiPadは、どのような経済効果をもたらしてくれるのだろうか。

[神尾寿,Business Media 誠]

著者プロフィール:神尾 寿(かみお・ひさし)

IT専門誌の契約記者、大手携帯電話会社での新ビジネスの企画やマーケティング業務を経て、1999年にジャーナリストとして独立。ICT技術の進歩にフォーカスしながら、それがもたらすビジネスやサービス、社会への影響を多角的に取材している。得意分野はモバイルICT(携帯ビジネス)、自動車/交通ビジネス、非接触ICと電子マネー。現在はジャーナリストのほか、IRIコマース&テクノロジー社の客員研究員。2008年から日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員、モバイル・プロジェクト・アワード選考委員などを勤めている。

本連載(時事日想)とITmedia プロフェッショナルモバイルに執筆した記事をまとめた『次世代モバイルストラテジー』(ソフトバンククリエイティブ)も好評発売中。


 早朝の銀座に、285メートルの行列ができた。

 5月28日、Appleのタブレット型モバイル端末「iPad」が発売。全国のApple Storeやソフトバンクモバイルの直営店、一部の家電量販店で販売された。中でもAppleの旗艦店である「Apple Store銀座」には約1200人もの購入希望者が並び、その行列は同店のある銀座3丁目から銀座1丁目まで伸びた。さらに報道陣や報道ヘリも殺到したため、発売開始の朝8時前には警官隊やパトカーまで出動する騒ぎにまでなった。

 まさにお祭り状態になったiPadの発売日。しかし、本当に重要なのはこれからだ。iPadの登場はどのような市場創出効果があるのか。今回の時事日想は特別編として、それらを考えたい。

iPadは「新しいコンピュータ」

yd_ipad.jpg iPad

 先週はまさに、“iPadフィーバー”だった。テレビや新聞がこぞってiPadを取りあげ、TwitterやブログでもiPadの話題が持ちきり。その名前や姿形を知らない人はほとんどいないだろう。ITmediaでもiPad特集が大々的に組まれており、筆者もiPad発売直前にiPad日本版のコラムを書いている(関連記事)。詳しい製品の概要やレビューはそちらに譲りたい。

 では、iPadとは何なのか。

 ひと言でいえば、iPadは“誰もが気軽に使えるコンピュータ”だ。操作は直感的で分かりやすく、アプリやコンテンツの利用は簡単かつ安全。Webサイトの閲覧やメール、Twitterの利用など、インターネット上の各種サービスも手軽に使うことができる。

 マルチタッチ対応の9.7インチIPSディスプレイは、鮮やかで美しい表示を実現している。解像度は768×1024ピクセルで、日本語表示がくっきり見やすいだけでなく、ハイビジョン映像の再生にも対応。モバイル端末とは思えないほどの表現能力を持っている。

 また基本性能も高い。iPad用にAppleが独自開発した専用プロセッサ「A4」と、A4向けに最適化されたiPhone OSとの調和により、すべての動作がサクサクと快適なスピードで動く。Webやメールの利用、専用アプリの動作まで遅滞というものが一切なく、小気味よく動作する。こと操作感のスムーズだけ見れば、最高性能のPCにも引けを取らない。さらにWi-Fiモデルで最長10時間、Wi-Fi+3Gモデルでも最長9時間というバッテリー稼働時間の長さを実現している。一般的にノートPCやネットブックなどのバッテリー稼働時間は、表示された時間より短くなりがちだが、iPadはそうではない。ほぼカタログ値どおりの性能を持っている。iPadを使うようになってから、筆者はバッテリーの残り時間を気にしなくなったくらいだ。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -