“普天間”と“政治とカネ”の問題が政権を揺るがせた――鳩山首相、退陣表明演説ほぼ全文(2/3 ページ)

» 2010年06月02日 14時17分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

普天間の問題

鳩山 ただ、残念なことに、そのような私たち政権与党のしっかりとした仕事が、必ずしも国民のみなさんの心に映っていません。国民のみなさんが徐々に徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまった。そのことは残念でなりませんし、「まさにそれは私の不徳のいたすところ」、そのように思っています。

 その原因、2つだけ申し上げます。やはりその1つは、普天間の問題でありましょう。沖縄のみなさんにも、徳之島のみなさんにもご迷惑をおかけしています。ただ、私は「本当に沖縄の外に米軍の基地をできる限り移すために、努力をしないといけない。今までのように沖縄の中に基地を求めることが当たり前じゃないだろう」、その思いで半年間、努力してきましたが、結果として県外にはなかなか届きませんでした。

 いや、これからも県外にできる限り、彼らの仕事を外に移すように努力をしていくことは言うまでもありませんが、一方で、北朝鮮が韓国の哨戒艇を魚雷で沈没させるという事案も起きています。北東アジアは決して安全安心が確保されている状況ではありません。「その中で日米が信頼関係を保つということが、日本だけではなく東アジアの平和と安定のために不可欠なんだ」、その思いのもとで残念ながら沖縄に負担をお願いせざるをえなくなりました。

 そのことで沖縄のみなさま方にもご迷惑をおかけしています。そして特に、社民党さんに政権離脱という厳しい思いをお与えしてしまったこと。残念でなりません。ただ、みなさん、私もこれからも社民党さんとはさまざま、国民新党さんとも共にではありますが、一緒に今まで仕事をさせていただいてきた。これからもできる限りの協力をお願いを申し上げてまいりたい。

1月の民主党大会での福島瑞穂社民党党首

 さらに、沖縄のみなさん方にもこれからもできる限り、県外に米軍の基地というものを少しずつでも移すことができるように、新しい政権としては努力を重ねていくことは何より大切だと思っています。「社民党より日米を重視した。けしからん」、その気持ちも分からないではありません。ただ、「社民党さんとも協力関係を模索をしていきながら、今ここはやはり、日米の信頼関係を何としても維持させていかなければならない」という悲痛の思い。ぜひ、みなさんにもご理解願いたいと思っています。

 私はつまるところ、「日本の平和、日本人自身で作り上げていく時を、いつかは求めなければならない」と思っています。米国に依存し続ける安全保障、これから50年、100年続けていいとは思いません。そこのところもぜひ、みなさんご理解いただいて、だから鳩山が「何としても、少しでも県外に」と思ってきたその思い、ご理解願えればと思っています。「その中に私は今回の普天間の本質が宿っている」、そのように思っています。

 いつか、私の時代は無理ですが、あなた方の時代に日本の平和をもっと日本人自身でしっかりと見つめ上げていくことができるような、そんな環境を作ること。現在の日米の同盟の重要性は言うまでもありませんが、一方でそのことも模索していただきたい。私はその確信の中で、しかし、社民党さんを政権離脱という大変厳しい道に追い込んでしまった。その責任はとらなければならない。そのように感じています。

政治とカネの問題

鳩山 いま1つはやはり、政治とカネの問題でありました。そもそも私が自民党を飛び出して(新党)さきがけ、さらには民主党を作り上げてきましたのも、「自民党政治ではだめだ。もっとお金にクリーンな政権を作らなければ、国民のみなさん、政権に対して決して好意を持ってくれない。何としてもクリーンな政治を取り戻そうではないか」、その思いでございました。

 それが結果として、自分自身が政治資金規正法違反の元秘書を抱えていたなどということが、私自身、まったく想像だにしておりませんでした。そして、そのことが、きょうご来会の議員のみなさま方に大変なご迷惑をおかけしてしまったこと。本当に申しわけなく、「何でクリーンであるはずの民主党の、しかも代表がこんな事件に巻き込まれるのか」と、みなさま方もさぞご苦労され、お怒りになったことだと思います。私はそのような政治とカネに決別をさせる民主党を取り戻したいと思っています。みなさんいかがでしょうか(会場拍手)。

 そのことで私自身もこの職を引かせていただくことになりますが、合わせてこの問題は小沢幹事長にも政治資金規正法の議論があったことも、みなさま方、周知のことでございます。先般、2度ほど、幹事長ともご相談を申し上げながら、「私も引きます。しかし、幹事長も恐縮ですが、幹事長の職を引いていただきたい。そのことによって新しい民主党、よりクリーンな民主党を作り上げることができる」、そのように申し上げました。幹事長も「分かった」と、そのように申されたのでございます。

1月の民主党大会での小沢一郎幹事長

 決して受動的ということではございません。お互いにその責めを果たさなければならない。重ねて申し上げたいと思いますが、今日も見えております(陣営幹部が公職選挙法違反や政治資金規正法違反で起訴された)小林千代美議員にもその責めをぜひ、負うていただきたい。誠にこの高い壇上から申し上げるのも恐縮ではありますが、私たち民主党、再生させていくために、とことんクリーンな民主党に戻そうじゃありませんか、みなさん。そのためのご協力をよろしくお願いいたします。

 必ず、そうなれば国民のみなさんが新たな民主党に対して聞く耳を持っていただくようになる。そのように確信いたしています。私たちの声も国民のみなさんに届くでしょうし、国民のみなさんの声も私たちにストンと通る新しい政権に生まれ変わると確信しています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.