底堅さも見られるのだが持高調整の売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年06月01日 17時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9711.83円 ▼56.87円
売買高 16億3445万株
日経平均先物 9740円 ▼20円
売買代金 1兆1101億円
TOPIX 880.04 ▼0.42
値上がり銘柄 701銘柄
東証マザーズ指数 413.28 △0.03
値下がり銘柄 820銘柄
日経ジャスダック平均 1262.81円 ▼0.15円
変わらず 154銘柄
騰落レシオ 72.26% ▼5.92%

日経平均

底堅さも見られるのだが持高調整の売りに押されて軟調

 昨日堅調となった反動もあり、米国市場が休場で手がかり難の中、売り先行となりました。寄り付き直後に外資系証券のシステム障害で先物にまとまった売りが出ると、指数は大きく下押す場面もありましたが、すぐに戻り歩調となりました。戻りも鈍く方向感なく小動きとなりましたが、ディフェンシブ銘柄が買われるなど軟調ながらも底堅い展開となりました。同業種の中でも高安まちまちとなるものが多く、手掛かり難で方向感の掴みにくい中、持高調整の売り買いが中心となっていたようです。中国の経済指標が発表となり、予想を下回ったことやアルゼンチンの債務問題を取りざたする向きもあったようですが、特に反応したということでもないと思います。

 後場に入ると若干下げ幅を縮小する場面もありましたが、ハイテク銘柄や商社株への売りが続き指数の上値を押さえる要因となりました。持高調整の売り買いは一段落となったようでしたが、目先筋の売りも続き、悪材料を取りざたさしては買わない理由としていたようです。政局の混乱を売り要因として取りざたする向きもあったようですが、逆に金融株などが買われているとなると混乱を嫌気しているというよりは混乱を好感しているかのようでした。結局最後まで方向感はなく、軟調ながらも底堅い展開となりました。

 小型銘柄も目先筋の利益確定売りや戻り売りに押されて軟調となるものが多かったのですが、売り急ぐこともなく、小動きとなりました。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均共に小幅安となりました。先物は朝方は混乱が見られ、しばらく落ち着きのない展開となりましたが、その後は下値を試しながら底堅さを確認し、戻りを試しながら上値の重さを確認するように目先筋中心で方向感のない展開となりました。

 底入れ感の強まることが期待されましたが、逆に戻りの鈍さ、買い気の乏しさが確認されてしまった感じです。買わない材料、買えない材料を取りざたしてはあたふたしているというような展開で、リスク許容度が再び増加するか、新たな買い手が現れないと上値も限られてしまうのでしょう。ある程度の水準まで戻らないと買い手も現れないのでしょうし、いろいろな「悪材料」をこなさないと上値も重いものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 先週末に空けた「窓」を埋めるような展開となりました。下げ渋ったことで、「アイランドリバーサル」で底入れとなったことが確認されるかもしれません。9600円台から9800円水準のもみ合いをどちらに抜けるかで今後の方向も決まりそうですが、RSIやストキャスティックスが底値圏からの上昇となっていることや9500円水準の節目で底堅さが見られたことを考えると、上に抜ける可能性が高いのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 狭い範囲での動きとなり転換線に上値を押さえられながらも底堅い、しっかっりとした動きとなっています。先週末に空けた「窓」がサポートとなり転換線を抜けて戻りを試す動きとなって来るのではないかと思います。まだ方向感は出ていませんがRSIやストキャスティックスは底値圏からの上昇となっており、強含みの展開が続くのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 雲や基準線に上値を押さえられてはいるのですが、ストキャスティックスやRSIは上昇となり、遅行線も雲を抜けており、強含みの展開となっています。雲や基準線を抜けるだけの材料が出ないと雲に上値を押さえられる状況は変わらず、遅行線が日々線に絡む日柄、あるいは雲のねじれの日柄までは動きが出ないのかもしれません。

銘柄ピックアップ

持高調整の売り買いが中心

HOYA(7741) 2134 △4

 ハイテク銘柄に売られるものが多い中で堅調となりました。4月下旬に好決算を発表後軟調な展開となっていますが、売られ過ぎの反動や本日の新聞で最高経営責任者のコメントとして今期(2011年3月期の連結営業利益が前期比24%増となりそうと伝えられ、市場予想を上回る業績改善を好感する買いが入りました。

パイオニア(6773) 338 △1

 昨日の引け後に発表された2012年度までの中期経営計画で、2012年度の収益見通しを発表、連結売上高が2009年度比44%増、最終損益も大幅黒字と見込むことが好感されて買われ一時大幅高となりました。手がかり難の中値動きの良さが好感されたものと思います。

丸 紅(8002) 498 ▼9

 ベトナムで大型の石炭火力発電所の建設工事を受注したと報じられ、収益拡大を期待して買い先行となりました。ただ、寄り付きの買いが一巡した後は商社株が総じて手仕舞い売り、持高調整の売りの押される中、連れ安となりました。

東 電(9501) 2353 △96

 手掛かり難で持高調整の売りに押される相場の中で円高メリットやディフェンシブ銘柄として消去法的に買われ堅調となりました。外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことも好感されたものと思います。

板硝子(5202) 237 ▼1

 欧州での金融不安などからガラス需要が落ち込み業績に影響があるとの懸念から外資系証券が投資判断を引き下げ、嫌気する売りが嵩んで軟調となりました。

パーク24(4666) 953 △10

 昨日の引け後に2009年11月−2010年4月期の連結決算を発表、純利益は前年同期比22%増と大幅増益となったことが好感されて買われ、堅調となりました。手がかり難のなかで幕間つなぎ銘柄として値動きの良さが好感された面もあるものと思います。

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