ちきりんは、中国と台湾を行き来しながら、それらが故宮にあった時代を想像するのが大好きです。ペルガモン博物館(ドイツ)のイシュタール門と古都バビロンの風を、大英博物館の展示とエジプトの砂漠を、ピカソ美術館(パリ)の一室とバルセロナの太陽を組み合わせ、時間と空間を使ったジグソーパズルを1つずつはめていくことに心を奪われます。
実は最近、エジプトや中国などを中心に、流出した自国の古代文明の至宝について、返還要求をする動き(参照リンク)も出てきています。
みなさんは奈良の大仏がずっと昔に外国に売られていて大英博物館に展示してあったら、「返してほしい」と言いますか? 金閣寺は1950年に放火されて消失していますが、もしもその前に米国が解体してニューヨークに運んでいて、メトロポリタン美術館で今でも本物が見られたとしたら、ありがたいと思いますか?
簡単に解決する問題ではありませんが、これからは多くの国の人たちが「歴史の遺物はどこに存在するべきか」という問いについて、考えなくてはならなくなるでしょう。
ではまた来週。
関西出身。バブル最盛期に金融機関で働く。その後、米国の大学院への留学を経て現在は外資系企業に勤務。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。
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